農業共生圏高度専門家育成事業

野生生物と人との軋轢(あつれき)

狩猟者の減少・耕作地放棄・林業の衰退といった人の生活の変化や,気候変動による自然環境の変化は,野生生物の個体数増加や分布域の変化を招き,シカ等による農林業被害増加や,ヒグマ等による人身事故の原因となっています。また,他のう地域から持ち込まれた外来生物は,その地域の生態系を脅かし,人やペット,家畜に感染症をもたらす危険性もあります。

一方で,人が便利に暮らしていくために行われる道路開発や宅地開発等は,野生生物の生息環境や地域の生態系に大きな変化を与え,種の存続に影響を与えます。このように,人と野生生物の生活は互いに影響しあい,軋轢が生じています。

 野生生物と人の共生へ向けて

野生生物と人が共存し,持続可能で多様性のある社会を実現するためには,行政職員や企業担当者,地域住民が野生生物について正しい知識を身につけ,それぞれの立場から野生生物と人との軋轢の軽減・解消に努力しなければなりません。 しかし,生息地の環境改善策や農林業被害の防除方法など保全と管理を同時に学ぶことができる場は限られています。

農業共生圏高度専門家育成事業パンフレット

十勝管内に生息する野生動物に関するパンフレットも作成しています。

※画像をクリックするとパンフレットを見ることができます。

 

高度で実践的な専門技術を学ぶ機会の提供

※新型コロナウイルス感染症の影響を受け,2020年度の事業実施は当面の間中止とさせていただきます。再開の目処が立ちましたら,改めてHP等でお知らせいたします。

2019年度は以下の3件の講習会を実施いたしました。

コウモリ捕獲技術講習

開発技術等においてコウモリの保全対策に従事する方等を対象に,捕獲の際に必要となる罠設設置技術や種の識別方法等,コウモリの保全対策に関して,座学とフィールドワークによる講習会を実施しました。

実施の様子

野生生物保全管理講習会

人間の経済活動と生物多様性が両立した農業共生圏の実現に向けて,野生生物の保全管理に関する基本的な知識と技術を持つ人材の育成を目指し、3日間に渡り,座学やフィールドワークなどの15講座からなる講習会を実施しました。

実施内容(一部)

(野生生物捕獲法)
野生生物の捕獲は個体数管理のためだけでなく,その地域に生息する種の把握や生態的特性を知るために必要な作業である。動物種の大きさに応じた罠を用いて,野生生物の捕獲方法について学びます。

(データ解析入門)
野生生物の調査で得られたデータを適切に整理し,保全や管理に活用するためのデータ解析に関する基礎的な方法について学びます。

(インタープリター学)
野生生物の保全管理を行う上で収集した情報(生態,個体数等)をを地域住民や顧客に対して効果的に伝達する手法を学びます。

実施の様子

 

人への伝え方~協働による野生生物対策~

近年,多様化する野生動物と人との軋轢を解決するため,地域の住民や行政,企業,研究教育機関がそれぞれの立場から問題に取り組み,複合的な視点から解決策を検討していくことが求められています。

それぞれの意見の調整や方針の統一をするためには,自分の意見を相手に適切に伝え,正確な情報や考え方を理解してもらえるかが重要な観点となります。

本講習会では,協働による野生生物と人との軋轢の軽減,解消を推進することを目的に,野生生物対策をテーマに「人に伝える」重要性とその事例について,グループワークを交えながら実施いたしました。

実施の様子

農業共生圏高度専門家育成事業に関するお問い合わせ

国際・地域連携課 地域連携係
Email: wildlife@obihiro.ac.jp
Tel: 0155-49-5776