本研究部門は基礎獣医学分野(形態学系,機能学系,応用獣医学系)と臨床獣医学分野(伴侶動物獣医療学系,産業動物獣医療学系)で構成され,獣医学が対象とする広範な研究領域のテーマに関して,基礎,応用,臨床の観点から総合的にアプローチし,分子レベルから個体,さらに個体群レベルでの研究を推進している。
基礎獣医学分野
本分野では,動物が有する生命の基本原理と様々な疾患にみられる生物学的事象を総合的に科学する。健康な動物の生命現象に関わる基礎的研究を推進するとともに,自然界の環境変化や環境汚染物質が動物にもたらす現象の解明や,種々の動物にみられる疾患の診断・病態の解明,感染症疾患の原因となる病原体との相互作用について,診断・予防法を含め研究を行う。
臨床獣医学分野
家族や社会の一員として位置づけられる犬・猫をはじめとする伴侶動物では,専門性の高い先進的な獣医療が強く望まれ,それらを提供できる獣医師が求められている。また,産業動物の獣医療では,生産病対策や繁殖障害対策による生産性の向上,動物由来感染症の予防や蔓延防止が重要な課題であり,それを支える獣医師が求められている。獣医療に対するこのような社会的要望に応えるべく,本分野では個体並びに集団における各種疾患の発生原因,機序及び病態を臨床学的かつ学術的に解明するとともに,より高度な予防・診断・治療技術の構築を目的として関連部門と連携して研究を行う。
教員紹介
基礎獣医学分野 形態学系
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古林 与志安教授KOBAYASHI Yoshiyasu研究テーマ病理学的手法を用いた動物の病気や病変の発生機序解析
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佐々木 基樹教授SASAKI Motoki研究テーマ野生動物および家畜の機能形態学的および繁殖生物学的解析
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山田 学教授YAMADA Manabu研究テーマ病理学的手法を用いた動物の病気の病態と病理発生機序の解析
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近藤 大輔准教授KONDOH Daisuke研究テーマ脳内における糖鎖構造の分布と変化の解析、および脊椎動物の嗅覚系に関する系統発生
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渡邉 謙一准教授WATANABE Kenichi研究テーマ動物の自然発生疾患を解析し、発症機序を明らかにする。近年では特にアミロイドーシスとウシの神経変性疾患に注目しています。
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冨安 洵平助教TOMIYASU Jumpei研究テーマ1) 動物の臭腺の役割を明らかにする 2) オスの繁殖成功に寄与する生理学的特徴の解明
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基礎獣医学分野 機能学系
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石井 利明教授ISHII Toshiaki研究テーマ脳・神経系における生理機能の解明、パーキンソン病に併発する難治性認知障害の発症機構の解明とその治療薬の開発、認知症やてんかん予防に有効なプロバイオティクスと脳腸相関に関する研究
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石川 透教授ISHIKAWA Toru研究テーマ上皮性イオンチャネルおよびトランスポーター蛋白の細胞内調節機構と構造機能連関
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久保田 彰教授KUBOTA Akira研究テーマ食の安全やヒト・動物の健康を脅かす人工・天然化合物の有害性評価や毒性発現機構についての研究,ならびに希少動物の獣医療高度化を目指した種固有の薬物代謝・薬物動態に関する研究
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上川 昭博准教授KAMIKAWA Akihiro研究テーマ乳腺生理機能の基盤となる分子メカニズムを明らかにする。
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川合 佑典准教授KAWAI Yusuke研究テーマ異物代謝に関わる酵素の動物種差・及び分子進化に関する研究
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室井 喜景准教授MUROI Yoshikage研究テーマ周産期の母体で起きる様々な変化に着目し、特に行動制御に関わる神経機構を分子、細胞、個体レベルで研究しています。
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基礎獣医学分野 応用獣医学系
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岡村 雅史教授OKAMURA Masashi研究テーマ病原細菌の宿主特異的病原メカニズムの解明を通して、宿主動物との共進化の歴史を理解し、感染症を制御する
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小川 晴子教授OGAWA Haruko研究テーマウイルスの感染症の制御に関する研究
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佐々木 貴正教授SASAKI Yoshimasa研究テーマ畜産農場における食中毒菌の汚染実態 畜産農場における抗菌薬使用と薬剤耐性菌の選択
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相川 知宏准教授AIKAWA Chihiro研究テーマ細菌の宿主特異的病原性機構の解明
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佐々木 瑞希准教授SASAKI Mizuki研究テーマ野生動物におけるウイルス、細菌、寄生虫の感染状況調査
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武田 洋平准教授TAKEDA Yohei研究テーマ新規抗ウイルス物質を用いた効果的な感染防御法の開発
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豊留 孝仁准教授TOYOTOME Takahito研究テーマ真菌が関わる疾患について、真菌・宿主の両面から解明を行う。
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小松 勇介助教Komatsu Yusuke研究テーマ・北海道におけるカンピロバクターやサルモネラといった主要な食中毒菌の分布調査
・深層学習を用いた画像中の微生物や異常組織などの対象物のAIモデルの開発
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臨床獣医学分野 伴侶動物獣医療学系
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上村 暁子教授UEMURA Akiko研究テーマ低侵襲手術(インターベンション治療)と治療用デバイスの開発
先天性心奇形・先天性血管奇形の病態解明
ヒアルロン酸を用いた術後癒着防止剤の開発 -
松本 高太郎教授MATSUMOTO Kotaro研究テーマ動物とマダニやノミといった吸血節足動物、その保有する病原体の関係の解明
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岩﨑 遼太准教授IWASAKI Ryota研究テーマ獣医療におけるがん転移の予防および治療に基づく予後改善への挑戦
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佐野 忠士准教授SANO Tadashi研究テーマ新規生体情報モニターの使用、各種麻酔薬・鎮静薬の組み合わせによる、より効果的な周術期管理法の開発
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吉田 智彦准教授YOSHIDA Tomohiko研究テーマ超音波診断装置および血液バイオマーカーを用いた循環疾患や腫瘍疾患の病態評価および早期診断法の確立
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臨床獣医学分野 産業動物獣医療学系
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大塚 浩通教授OHTSUKA Hiromichi研究テーマ牛における飼育管理が免疫システムに及ぼす影響を調査・研究し、具体的な解決方法を見いだして生産現場で発生している感染症の発生予防に貢献する
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髙橋 英二教授TAKAHASHI Eiji研究テーマ子牛の健康と疾病に関する研究、乳牛の蹄病に関する研究、牛の予防獣医療に関する研究
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南保 泰雄教授NAMBO Yasuo研究テーマ馬の内分泌検査および超音波画像検査による疾患検査法の開発
馬の生殖補助医療、生産管理方法に関する研究 -
松井 基純教授MATSUI Motozumi研究テーマウシの繁殖効率の改善を目指した繁殖生理の理解
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滄木 孝弘准教授AOKI Takahiro研究テーマ牛や馬の生産を阻害する様々な要因に関する研究
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伊藤 めぐみ准教授ITOH Megumi研究テーマ心電図波形から乳牛の血中Ca濃度を推定する牛群管理システムを開発し、分娩前後の低Ca血症の早期発見・早期治療に貢献する
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羽田 真悟准教授HANEDA Shingo研究テーマウシ生殖器の内視鏡観察 ウシの子宮洗浄法の改良 性ステロイドホルモンによる卵管、子宮の調節機構 ウマの着床、妊娠機構
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武山 暁子助教TAKEYAMA Akiko研究テーマ重種馬に対する安全な麻酔方法の確立
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田上 正明特任教授TAGAMI Masaaki研究テーマ馬の画像診断・整形外科手術・軟部組織外科手術・再生獣医療
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