岩﨑 遼太 准教授 IWASAKI Ryota
研究テーマ獣医療におけるがん転移の予防および治療に基づく予後改善への挑戦
My Dream動物医療にもBNCTを
所属・担当
動物医療センター/伴侶動物診療科研究域/獣医学研究部門/臨床獣医学分野/伴侶動物獣医療学系学部(主な担当ユニット)獣医学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)獣医学専攻
研究分野 | 臨床腫瘍学, 放射線腫瘍学, 画像診断学, ホウ素中性子捕捉療法 |
キーワード | リンパ節転移, CT, MRI, エコー, レントゲン, 画像診断, 放射線治療, 放射線障害, BNCT, ホウ素中性子捕捉療法 |
研究紹介
私は主に2つの研究を行ってきました。1つ目は伴侶動物のがん転移に関する研究,2つ目はホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の研究です。
1. 伴侶動物に発生するがんは悪性度が高く,早い段階でリンパ節や肝・肺などへ転移を起こしてしまうことが多いです。したがって転移を予測し早期発見するために,画像検査による高精度な診断法を検討してきました。その一つとして,CTを用いた胸骨リンパ節転移の診断基準を確立しました。現在は,がんが最初に到達するリンパ節(センチネルリンパ節)を同定するためのリンパグラフィーについて,臨床研究を行っています。
2. BNCTは,腫瘍に取り込まれやすいホウ素薬剤を投与した後に中性子線を照射し,ホウ素と中性子との核反応によって生じる極短飛程の粒子が腫瘍細胞を攻撃する画期的な放射線治療です。BNCTは正常組織への影響が少ないと考えられていますが,今後の適応拡大を目指す上では必ず考えなければならず,私は,正常な骨組織のどこに,どれくらいのホウ素が取り込まれ,BNCTによってどの程度骨がダメージを受けるかについて解析をしてきました。現在は犬の難治性がんに対するBNCTの有用性を調べるために細胞株を用いて基礎実験を行っています。
現在取り組んでいる研究テーマ一覧
- 犬の難治性がんに対するBNCTの基礎研究
- BNCTが正常組織に与える影響に関する研究
- リンパ節転移の画像診断精度向上に関する研究
- 少数転移に対する治療介入に関する臨床研究
関連産業分野 | 獣医学, 放射線医学 |
所属学会 | 日本獣医がん学会, Veterinary Cancer Society, 日本放射線腫瘍学会, 日本中性子捕捉療法学会, 日本癌学会 |
学位 | 博士(獣医学) |
資格 | 獣医師, 第1種放射線取扱主任者, 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種 |
自己紹介 |
15年ぶりに母校に戻ってきました。これまで犬猫のがん診療やBNCTという放射線治療の研究に携わってきました。趣味はランニングやDIY,パン屋さん巡りです。 |
居室のある建物 | 動物医療センター |
部屋番号 | 2F N204号室 |
メールアドレス | ri5702 obihiro.ac.jp |
卒業研究として指導可能なテーマ
- 犬の骨肉腫、血管肉腫および悪性黒色腫などの難治性がんに対するBNCTの効果解明
- マウス正常骨および正常筋にBNCTがおよぼす影響の解析
- 伴侶動物のがん転移に対する高精度画像診断法の構築
- 伴侶動物におけるがん転移の予防および治療に関する臨床研究
メッセージ
大学生の時にたくさんの大人と接していろんな経験をしておくことが,将来の役に立つはずです。動物医療センターにもたくさんの人がいますので,ぜひ一度来てみてください!