白藤 浩明 教授 SHIRAFUJI Hiroaki

研究テーマ家畜に感染するウイルスの実態を把握し、家畜をウイルス性疾病から守るための手段を用意する

所属・担当

研究域獣医学研究部門/基礎獣医学分野/応用獣医学系
学部(主な担当ユニット)獣医学ユニット
研究分野 ウイルス学, 感染症学
キーワード 家畜感染症, 分子疫学, 遺伝子検査, アルボウイルス, ワクチン

研究紹介

日本では、高病原性鳥インフルエンザや豚熱の発生が近年相次いでおり、2024年には牛のランピースキン病の発生もありました。また、近隣アジア諸国ではアフリカ豚熱や口蹄疫がまん延しており、これらのウイルス性疾病は国内の畜産業に対する脅威となっています。そのような急性伝染病が国内外で発生した情報を目にされる方々は多いと思いますが、家畜の生産現場には、慢性の経過を辿ったり、常在化していたりする疾病も多数存在します。急性伝染病だけでなく、慢性あるいは常在化している伝染病を制御することは、家畜の健康を守る上で非常に大切です。そのような病気を減らすために、原因となるウイルスの分布状況や、そのウイルスの性質や家畜に病気を起こす機序を明らかにする研究が必要であり、有効な予防・治療法の開発も必要です。私は、畜大の学生や教員の皆さん、公務員獣医師や臨床獣医師の方々、他大学の先生方や民間企業の方々と協働して、家畜衛生の向上に貢献することを目標に、これらの研究に取り組んでいきます。

所属学会 日本獣医学会, 日本ウイルス学会
学位 博士(獣医学)
資格 獣医師
自己紹介

岩手県出身の畜大OBです。大学在学時は剣道部に所属していました。卒業後は関東で計7年間、鹿児島で約13年間を過ごし、研究機関で主に節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)の性状解明や診断法開発に取り組んできました。趣味は野球観戦です。前任地ではベルーナドームに通っていましたが、これからはエスコンフィールドでたくさん試合を観たいと思っています。

居室のある建物総合研究棟Ⅳ号館
部屋番号102号室
メールアドレス hshirafuji atmark obihiro.ac.jp

メッセージ

私は、農林水産省が所管する研究機関(農業・食品産業技術総合研究機構)に約20年間勤務してきました。そのうち約13年間を鹿児島で過ごし、牛に異常産や熱性疾患を起こす各種節足動物媒介性ウイルス(アルボウイルス)の研究として、野外材料からのウイルス分離、ウイルスの遺伝学的性状や血清学的性状の解析、診断法の開発などに取り組んできました。その研究の中で、教科書には載っていない新種のウイルスや、何十年も前に遠く離れた外国で見つかったものと同じ種類のウイルスに遭遇することがありました。そのようなウイルスは変異を繰り返しながら循環し、家畜に感染して、時に病気を起こします。そのようなウイルスの特徴や宿主動物への感染実態を理解して、疾病の制御につなげる研究は、難しくもありますが大変やりがいのある仕事です。ぜひ、一緒にウイルスの研究をしましょう!