橋本 直人 准教授 HASHIMOTO Naoto

My Dream生活習慣病を克服する迷走神経調節法を編み出す

研究テーマ食品成分の生理作用発現における神経系の役割を明らかにする

研究分野

食品栄養学, 栄養生化学, 栄養生理学

キーワード

フラボノイド, NAFLD(非アルコール性脂肪肝), 胆汁酸, 迷走神経, アディポカイン

卒業研究として指導可能なテーマ

フラボノイド摂取による脂質代謝改善作用機構の解明
胆汁酸の長期摂取による血中アディポカイン調節機構の解明
胆汁酸によるフラボノイド代謝酵素調節機構の解明

メッセージ

フラボノイドなどの食品成分や胆汁酸といった代謝物による生理作用の発現機構を、実験小動物や培養細胞を用いて研究しています。特に、近年はこれらの生理作用発現における神経系の役割に注目しています。
栄養学の分野では、これまで神経系を介した臓器相関(臓器間の情報のやり取り)はあまり注目されて来ませんでした。そのため、私の研究分野は、よく言えば栄養学においては未開拓の分野になります。先人が多くないので、道のりは楽ではありませんが、その分、新しい発見をする可能性も高くなるかもしれないという、果て無き夢を見て研究をしています。

せっかくの学生生活、人生に一度くらいは果てなき夢を追って険しい道を進んでみませんか。

学位 博士(農学)
自己紹介

北海道(北見市)出身です。これまで、飲料メーカーで果汁飲料の商品開発や、農研機構で農作物の健康機能性評価を行ってきました。趣味はバドミントンと海釣りです。釣りで砂浜近くまで自動車で行っては、よくJAFに助けてもらいます。

居室のある建物総合研究棟3号館
部屋番号606号室
メールアドレス hasshy atmark obihiro.ac.jp

所属・担当

研究域生命・食料科学研究部門/食品科学分野/食品加工利用学系
学部(主な担当ユニット)食品科学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)畜産科学専攻食品科学コース

研究紹介

フラボノイドは農作物に含まれている水溶性成分で、動物において様々な生理作用が報告されていますが、フラボノイドとその代謝物はほとんど血中では検出されないことから、フラボノイドの生理作用が疑問視されることがあります。しかし、これまでの研究で、高濃度のフラボノイド代謝物が肝臓を経由して胆汁に排出されることを明らかにしており、また、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)といった肝臓の栄養状態の悪化が、迷走神経の肝分枝(肝臓の情報を中枢神経に伝達する神経線維)を介してアディポカインという脂肪組織由来のホルモンの血中濃度に少なからぬ影響を与えることも分かってきました。そこで、フラボノイドもこの迷走神経の肝分枝を介して生理作用を発現するという仮説を立てて研究を行っています。農業や食品産業に直接かかわる研究テーマではないですが、こういった研究を通じて、日本最大の畑作地帯である十勝を盛り上げていきたいです。

研究の仮説

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

フラボノイドによる迷走神経を介した脂質代謝に関する研究
胆汁酸による脂肪肝と迷走神経を介した血中アディポカイン調節に関する研究
胆汁酸によるフラボノイド代謝酵素調節に関する研究

所属学会 日本栄養・食糧学会, 日本生化学会, 日本生理学会