福田 健二 准教授 Kenji Fukuda

研究テーマ乳成分の分離分析と利活用技術の開発、ならびに乳酸菌の単離と応用技術の開発

My Dreamミルクの神秘を解き明かす

所属・担当

グローバルアグロメディシン研究センター/農畜産学研究部門研究域生命・食料科学研究部門/食品科学分野/食品機能学系
学部(主な担当ユニット)食品科学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)畜産科学専攻食品科学コース
研究分野 畜産学, 食品微生物学
キーワード 乳, 乳酸菌, 機能性成分

研究紹介

乳酸菌は乳の発酵に欠かせない、とても身近な微生物です。菌体内へ取り込んだ糖を代謝して乳酸を菌体外へ分泌する能力を持ちますが、中にはたくさんの糖を連結した「細胞外多糖」を生産するものがいます。細胞外多糖は構造がきわめて多様であり、それに伴い様々な生理機能性や物性が期待されます。これまでに、インドの伝統的発酵乳「ダヒ」から粘性の強い細胞外多糖を生産する菌株Lactobacillus fermentum MTCC 25067を単離し、同菌株が分泌する細胞外多糖の化学構造や物性を明らかにしてきました。図「多糖生産乳酸菌で作った高粘性ヨーグルト」参照。
乳酸菌が生産する細胞外多糖は産業的観点からとても魅力的な素材なのですが、品質の安定性や収量の点で課題があり、産業利用に結びついていません。この問題を解決するため、細胞外多糖生合成関連遺伝子破壊株を作出し、部分的にin vitroで細胞外多糖を合成する手法の開発を目指しています。
究極の目的は細胞外多糖のテーラーメード合成であり、乳酸菌の新たな利用技術を開発し、食品産業の振興に貢献したいと考えています。

おもちのように伸びる、非常に粘性の高いヨーグルト

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

  • 生乳および発酵乳由来機能性成分の探索
  • プロバイオティクス乳酸菌に関する研究
  • 十勝地域を単離源とする乳酸菌ライブラリの構築
関連産業分野 食品, 畜産
所属学会 日本農芸化学会, 日本畜産学会, 日本乳酸菌学会, 日本酪農科学会, 日本応用糖質科学会
学位 博士(農学)
自己紹介

兵庫県出身です。趣味はヤマベ釣りとテレマークスキーです。最近アコースティックギターを始めました。

居室のある建物総合研究棟Ⅲ号館
部屋番号512号室
メールアドレス fuku atmark obihiro.ac.jp

卒業研究として指導可能なテーマ

  • 十勝産乳酸菌ライブラリーの構築
  • 発酵馬乳由来乳酸菌L. rhamnosus FSMM22が分泌するRpsSの細胞表層提示機構の解明
  • 発酵馬乳由来Lactobacillus rhamnosusの腸管細胞定着に関する研究
  • 発酵馬乳由来Lactobacillus rhamnosusの病原菌競合的排除に関する研究
  • 発酵馬乳由来プロバイオティクス候補乳酸菌L. rhamnosus FSMM15が生産する6-phospho-b-galactosidaseの研究
  • 初乳ヨーグルト投与による子牛の下痢予防効果の検証
  • 高粘性多糖生産性乳酸菌Lactobacillus fermentum MTCC25067のEPS生合成関連遺伝子の機能解析
  • 高粘性多糖生産性乳酸菌Lactobacillus fermentum MTCC25067の生産する多糖の構造物性相関解析
  • 高粘性多糖生産性乳酸菌Lactobacillus fermentum MTCC25067の生産する多糖の機能性解析
  • 高粘性多糖生産性乳酸菌Lactobacillus fermentum MTCC25067の多糖大量生産系の確立
  • 北海道産の生乳から単離された多糖生産性乳酸菌に関する研究
  • 十勝ヤギ生乳から単離された由来プロバイオティクス候補乳酸菌L. rhamnosus YM-1およびYM-3が示す抗菌活性に関する研究
  • 乳に含まれるオリゴ糖ヌクレオチドのプレバイオティクス効果および腸管上皮細胞への影響に関する研究
  • モンゴル産発酵乳由来ペプチドの抗菌活性およびプレバイオティクス機能に関する研究
  • ウシ初乳由来odorant-binding proteinの天然リガンドの同定
  • ウシ初乳由来odorant-binding proteinの二量体化とリガンド結合特性に関する研究
  • ウシ初乳由来トリプシンインヒビター(CTI)に関する研究

メッセージ

我々ヒトを含む哺乳類は、生まれてしばらくの間、母親から与えられる乳だけで成長します。ミルクの中には、生まれたばかりの子に必要なすべての成分が含まれているからです。その中には、大人にとっても有用な物質が数多く存在し、食品への応用が期待できます。特に、免疫力を強めたり有害微生物を抑制する成分は、昨今問題になっている抗生物質の多用を避けるための有用な手段となりえます。また、古来ヒトと長い付き合いのある乳酸菌は、食品の保存に利用できるのみならず、上手に摂取すれば我々の健康を保つために役立つことが期待できます。このような観点から、乳と乳酸菌の基礎科学と応用について研究しています。