横山 直明 教授 YOKOYAMA Naoaki
研究テーマ動物ピロプラズマ病の特性を解明し、その制御法を確立する。
研究分野 | 獣医学, 原虫病学, 疫学, 畜産衛生学 |
キーワード | バベシア, タイレリア, ピロプラズマ病, 牛, 馬, 国際獣疫事務局, 診断, 治療, 予防 |
研究紹介
マダニによって媒介されるピロプラズマ(タイレリアおよびバベシア)病は、牛や馬などの家畜動物に発熱や貧血などの消耗性疾患を引き起こし、世界中で深刻な経済的被害をもたらしています。しかしながら、いずれのピロプラズマ病に対しても有効な対応策が確立されていません。当研究室は、2007年より国際獣疫事務局(OIE)から、牛バベシア病と馬ピロプラズマ病に関するOIEリファレンスラボラトリーの認定を受けています。特に、動物ピロプラズマ病のリスク評価に主眼を置いて、具体的な疾病制御に向けた対応策ガイドラインの作成を目指しています。また、ピロプラズマ病の問題を抱える海外汚染国から若手研究者を受け入れて、研修と人材育成に努めるとともに、ピロプラズマ病の制圧に関する国際的共同研究ネットワークの構築にも取り組んでいます。
現在取り組んでいる研究テーマ一覧
- 牛及び馬のピロプラズマ病に関する国際疫学研究
- 国内に蔓延する牛ピロプラズマの分子疫学的および臨床病理学的研究
- 野生シカが保有するピロプラズマの分子疫学的研究
- 牛ピロプラズマの媒介マダニに関する疫学研究
- 牛及び馬ピロプラズマ病の診断法、治療薬、及び予防ワクチンの開発に関する基礎研究
学位 | 博士(獣医学) |
資格 | 獣医師 |
自己紹介 |
新美南吉の母校でもある愛知県立半田高等学校出身です。動物行動学の本に影響を受けて獣医学科に進学しました。学部では動物の感染症に興味を持ち、その後大学院に進学しました。学部では細菌を、大学院ではウイルスを、愛知県がんセンター研究所では腫瘍ウイルスを、そして原虫病研究センターでは原虫を対象に研究を行ってきて、幅広い病原性微生物に携わってきたのが自慢です。原虫病研究センターでは牛や馬に高熱や悪性貧血を引き起こすピロプラズマ病の病態、原虫の増殖メカニズム、生活環などの解明や、その診断、治療、及びワクチンの開発を行っています。趣味は魚釣りと昆虫採取です。十勝ではエゾトミオやミヤマクワガタの捕獲にはまっています。 |
居室のある建物 | 原虫病研究センター |
部屋番号 | 105号室 |
メールアドレス | yokoyama obihiro.ac.jp |
所属・担当
原虫病研究センター/診断治療研究部門/高度診断学分野原虫病研究センター/国際連携協力部門/国際獣疫学分野グローバルアグロメディシン研究センター/獣医学研究部門関連産業分野 | 国際防疫, 畜産衛生, 産業獣医, 動物用医薬品 |
所属学会 | 日本獣医学会, 日本獣医寄生虫学会, 日本寄生虫学会, 日本熱帯医学会, 日本衛生動物学会 |
学歴・職歴 | 1994年 岐阜大学農学部獣医学科 卒業 1997年 東京大学農学生命科学科獣医学専攻 博士課程修了 1997-2000年 愛知県がんセンター研究所ウイルス学部 研究員 2000- 現職 |
卒業研究として指導可能なテーマ
家畜の赤血球に寄生し,多大な被害を及ぼすピロプラズマ原虫(バベシア及びタイレリア)による原虫病の研究を行う。
- 原虫の感染・増殖に関する分子生物学的研究
- 原虫のワクチン開発に関する応用研究
- 原虫感染による病態形成に関する臨床病理学的及び免疫学的研究
- 原虫の流行・分布状況を把握するための国際フィールド・サーベーランス
メッセージ
高度診断学分野では,それぞれが独立した研究課題をもっており,グループセミナー(週1回),学部セミナー(年2回程度),大学院セミナー(年2回程度),JICAセミナー(年2回)を通して活発な議論が行われ,独自がそれぞれの目標に向かってがんばっています。大学院進学を希望する人,将来研究職を希望する人,大動物臨床を希望する人,または残りの学部生活を研究にとことん集中してみようと考えている人を歓迎します。