岡村 雅史 教授 OKAMURA Masashi

My Dream動物感染症の制御を通じて世界の食の安全確保・安定供給に貢献する

研究テーマ病原細菌の宿主特異的病原メカニズムの解明を通して、宿主動物との共進化の歴史を理解し、感染症を制御する

研究分野

微生物学, 感染症学, 人獣共通感染症学, 分子細菌学

キーワード

サルモネラ, ゲノム, 宿主特異性, ニワトリ, ウシ, ウマ

卒業研究として指導可能なテーマ

  • 家禽チフス・ひな白痢の病原メカニズムの解明
  • 牛サルモネラ症の疫学調査と制御法の確立
  • 馬パラチフスの病原メカニズムの解明

メッセージ

私は、いわゆる「町の獣医さん」を目指して獣医大学に入学しましたが、入学後に獣医師の職域の広さに驚かされました。私はその後これまで様々な人との出会いや導きによって、当初の目標であった臨床獣医師ではなく、病原細菌や動物の感染症に関する研究・教育に携わる大学教員として現在に至っています。
人生は選択の連続です。しかし、「人生大博打」ではなく、様々な経験を通して自ら得た一次情報に基づいて、その選択肢を自分で絞り込み、選択し、その人生を納得して過ごすことが重要であり、それが充実感や幸福につながります。時には引き返したりやり直したりすることもあるでしょう。そんな時のためにも、学生の間にしかできない様々な学外実習には積極的に参加し、自分の様々な可能性や将来像をイメージしながら6年間を有意義に過ごしてください。
国家試験までは、知識を蓄積し、解答のある問題を解くことが中心ですが、獣医師になってからはどの職業を選んでも「自分で問題を見つけて自分なりの答えを導き出す」ことが必要になります。知識も知恵も必要ですが、それに基づいて自分で考えることがより重要です。このリサーチマインドを養うためにも、私とともに研究を楽しみませんか?

学位 博士(獣医学)
資格 獣医師
自己紹介

大阪府出身ですが、人生の半分以上を青森県と北海道で過ごしてきました。
これまで、主に家禽のサルモネラ症に関する研究を行ってきました。帯広ではこれを継続しつつ、牛・馬のサルモネラ症に関する研究を開始しています。
趣味は読書・旅行・食べ歩きです。帯広は食べ物が美味しいおかげで、着任後3年間で○kg増、そろそろ筋トレ再開が必要です。

居室のある建物総合研究棟Ⅰ号館
部屋番号S2102-1
メールアドレス okamuram atmark obihiro.ac.jp

所属・担当

研究域獣医学研究部門/基礎獣医学分野/応用獣医学系獣医学教育国際認証推進室/スタッフ動物・食品検査診断センター/細菌分野
学部(主な担当ユニット)獣医学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)獣医学専攻

研究紹介

サルモネラ属菌はその菌体と鞭毛の抗原の組み合わせにより2700種類に上る血清型に分類され、病原性を示す血清型の多くは様々な動物に下痢をはじめとする消化器症状(ヒトでは食中毒)を引き起こします。一方で、10種類に満たないわずかな血清型だけが特定の動物にのみ敗血症を引き起こし、死に至らしめます。しかし、この強い宿主特異的な病原性をもたらすメカニズムはまだ明らかにされていません。そこで我々はこれまでに、鳥類を宿主とする家禽チフス菌(血清型Gallinarum)が感染鶏体内で発現する50種類の抗原を同定しました。さらにこれらの抗原をコードする遺伝子を欠失させた変異株を利用して、これらの遺伝子がどのように家禽チフス発症に関わっているのかを明らかにするとともに、これまでにサルモネラの研究によく用いられてきたネズミチフス菌(血清型Typhimurium)を比較対象として、宿主特異的な病原性と致死性に不可欠な遺伝子とそれが関与するメカニズムを明らかにしようとしています。また、現在、牛に感染する血清型Dublinや馬に感染する血清型Abortusequiなどに関する研究も進めており、いずれはサルモネラ属菌全般の病原性に関する理解を更新したいと考えています。
この研究によって、病原細菌と宿主動物の共進化の歴史を紐解き、さらには人獣共通感染症病原体がいかにして様々な動物種に感染できるようになったかを明らかにし、人や動物の感染症の制御法の開発へ貢献することを目指しています。

サルモネラ属菌の分類。
血清型Gallinarum(左3本)とその他の血清型(右3本)の生化学的性状の違い。いずれも左からTSI、SIM、リジン脱炭酸酵素の各培地。血清型Gallinarumは硫化水素産生性と運動性を欠くため、TSIとSIMは黒変しない。
家禽チフスを発症した鶏:羽毛逆立、嗜眠、無反応といった症状を示す。
家禽チフスを発症した鶏:肝臓にびまん性の白色壊死巣が見られる。

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

  • 家禽チフス・ひな白痢の病原メカニズムの解明
  • 牛サルモネラ症の疫学調査と制御法の確立
  • 馬パラチフスの病原メカニズムの解明
関連産業分野 養鶏産業・畜産業, 動物衛生, 動物用医薬品(ワクチンなど), 食の安全
所属学会 日本獣医学会, 鶏病研究会, 日本細菌学会, 獣医疫学会, 日本野生動物医学会, 日本食品微生物学会
Editorial Board
  • Journal of Veterinary Medical Science: 2024-
学歴・職歴 1998年 3月 北里大学獣医畜産学部獣医学科 卒業
2002年 3月 大阪府立大学大学院農学生命科学研究科博士課程 修了
2001年 3月-2002年 3月 米国農務省Beltsville農学研究センター 客員研究員
2002年 4月-2002年11月 米国農務省Beltsville農学研究センター 博士研究員
2002年12月-2004年12月 帯広畜産大学原虫病研究センター 研究機関研究員
2005年 1月-2020年12月 北里大学獣医学部 助手、講師、准教授
2021年 1月- 現職