野原 香織 准教授 NOHARA Kaori
研究テーマ近代日本およびフランスにおける働くことの「契約化」
My Dream“働くこと”と“法”の関係性を歴史から考える
所属・担当
研究域/人間科学研究部門/人文社会学・言語科学分野/人文社会学・言語科学系研究分野 | 法制史/法史学, 労働法, フランス法 |
キーワード | 雇用契約, 旧民法・明治民法, ボワソナード, フランス民法典, 職人, 労働者, 裁判記録, 法継受, 近代法 |
研究紹介
日本およびフランスにおける、近世以前の身分的な支配関係から近代の契約による雇用関係の移行について関心を持っています。いま、まさに働き方の多様性が注目されていますが、一様ではない「働くこと」に対する法の規律の歴史を紐解くことは、現代の働き方を考える上でも意味があるのではないかと思っています。これまでは、明治時代に御雇外国人のフランス人ボワソナードによって起草された民法典(旧民法)の「雇用契約」の規定の制定過程や、明治期の雇用関連の裁判の判決文などから、わが国における近代的雇用法制の成立について研究をしてきました。また、旧民法はフランス法を参照して起草されていますが、法によって規律される両国における働き方の異同を知るために、19世紀フランスの主要産業の一つだったリヨンの絹織物業の職人たちの労働裁判に関して分析を進めることで、当時のフランスの働く人々の態様と法状況を探ろうとしています。フランスと日本の両国において、「雇用契約」という法概念の成立が雇用社会にどのような影響を与えたのか、法史料から考察することが今後の課題です。
現在取り組んでいる研究テーマ一覧
- 明治期の雇用契約(とくに製糸・織物業)をめぐる訴訟に関する研究
- 19世紀フランス・リヨンの絹織物職人の労働裁判に関する研究
- 近代フランスの雇用法制と労働裁判所(Conseil de Prud'hommes) に関する研究
学位 | 修士(法学) |
自己紹介 |
東京に生まれ、幼少期は千葉県で育ち、中学2年生から高校3年生まで札幌で過ごしました。また、フランスのリヨンに留学したことがあります。趣味は、史跡巡り、動物観察、そして美味しいものを食べることです。 |
居室のある建物 | 総合研究棟1号館 |
メールアドレス | knohara obihiro.ac.jp |