吉田 希央 助教 YOSHIDA Kio
My Dream病気が起こすあらゆる不思議を解明する。
研究テーマ動物の自然発生症例をベースにした病態メカニズムの解明。
特に中枢神経疾患や腫瘍性疾患に興味があります。
卒業研究として指導可能なテーマ
- 動物の自然発生症例や難診断症例の病理学的研究
- 動物の中枢神経疾患に関する研究
- 動物の腫瘍性疾患に関する研究
メッセージ
病理学は、ある種の「探偵」のような学問です。病理組織切片という“事件後の現場”を確認し、証拠を集めて、「病」という事件の謎を解明していくプロセスは病理学ならではの魅力だと思います。多くの人にとって、病理学はとっつきにくく、難解な学問に感じられるかもしれません。しかし、一度でも「病気のなぜ」を明らかにする経験をしておくことは、将来どのような分野の獣医師になるとしても、必ず大きな財産になると考えています。病理に興味がある方はもちろん、「難しそうだけど頑張ってみたい」と思っている方にも、病理学の面白さを感じてもらえるよう、全力でサポートします。
学位 | 博士(獣医学) |
資格 | 獣医師, 獣医病理学専門家 |
自己紹介 |
奈良県出身です。奈良、帯広、東京とさまざまな土地を巡り、再び帯広に戻ってきました。幼いころから自然や動植物が好きで、野山を駆け回るうち、最終的には顕微鏡を通して動物、自然を診るようになりました。好きなことは鳥見(バードウォッチング)や登山です。思い入れのある母校で、産業動物や豊かな自然に関わる研究・教育に携わり、貢献していきたいと考えています。 |
居室のある建物 | 総合研究棟1号館 |
部屋番号 | N2302-4 |
メールアドレス | kyoshida ![]() |
所属・担当
研究域/獣医学研究部門/基礎獣医学分野/形態学系研究紹介
現在、医学・獣医学の発展によって、人や動物にはたくさんの病気が存在することが分かっています。しかし、病気の存在は知られていても、「なぜ」その病気が起こるのかという原因については未解明な疾患が多く存在しています。この病気の「なぜ」を明らかにすることが私の目標で、特に(1)中枢神経の病気や(2)腫瘍に興味を持っています。
(1)中枢神経疾患:生産現場において、生まれてくる子牛の中には神経学的な異常や起立困難などを示す子牛が存在しています。このような病気はウイルスや栄養素の欠乏、遺伝子変異などで起こることが知られていますが、中には原因が不明なものも多くあります。このような子牛の未解明中枢神経疾患の原因追及や、既に知られているものの理解が進んでいない疾患の解析を行っています。現在では牛ウイルス性下痢ウイルスによって生じる子牛の髄鞘低形成の研究を主に行っています。
(2)腫瘍性疾患:これまでには犬の脳腫瘍、特に神経膠腫(グリオーマ)の研究を行ってきました。犬のグリオーマは短頭種に集中して発生し、そのほとんどが高悪性度の希突起膠細胞腫というものになります。この発生傾向は人とは異なり、人では高悪性度の星状膠細胞腫が多くみられます。一方で、猫では人に似て、星状膠細胞腫を多く認めます。このような人と動物の腫瘍性疾患の類似点や相違点の原因を解明したいと考えています。帯広では小動物、大動物を含め、脳腫瘍以外の腫瘍の研究も行いたいと考えています。
上記のテーマ以外でもサイドワークとして感染症や実験病理の研究も行っています。



現在取り組んでいる研究テーマ一覧
- 動物の自然発生症例や難診断症例の病理学的研究
- 動物の中枢神経疾患に関する研究
- 動物の腫瘍性疾患に関する研究
関連産業分野 | 獣医学, 畜産, 医学 |
所属学会 | 日本獣医学会, 獣医病理学専門家協会 |
学歴・職歴 | 2021年 帯広畜産大学 共同獣医学課程 卒業 2025年 東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 修了 2025年- 現職 |