6月18日(金)に2015年ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章先生(東京大学宇宙線研究所所長・教授)を講演者にお迎えし,リベラルアーツ講演会をオンライン配信にて開催しました。本講演会は,本学の創立80周年記念事業の一つでもあります。
リベラルアーツ講演会は,本学学生の学問や大学生活に対する動機付けの契機として,幅広い教養(リベラルアーツ)を身に付けてもらうことに加え,広く市民にも公開し,地域住民と大学の交流の場,生涯学習の場を提供するという趣旨のもと2017年から実施しているもので,今回で4回目の開催となりました。
梶田先生をお迎えしてのリベラルアーツ講演会は,昨年7月11日に開催予定でしたが,新型コロナウイルス感染症の影響により今年へ延期となり,オンライン配信による開催形式となりました。
講演の演題は『神岡の地下から探る宇宙と素粒子』で,岐阜県飛騨市の神岡鉱山の地下に設置された観測装置「カミオカンデ」と「スーパーカミオカンデ」,最も小さいと考えられる素粒子のひとつである「ニュートリノ」に質量があることを裏付ける「ニュートリノ振動」の発見等について,ご講演いただきました。
講演では,カミオカンデやスーパーカミオカンデの建設,ニュートリノをめぐる研究の推移についてわかりやすく説明いただいたほか,宇宙の物質の起源の謎を解くカギはニュートリノにあるかもしれないと語られ,宇宙の物質の起源の謎に挑む新たな研究プロジェクトの展望について紹介される等,約1時間にわたりご講演をいただきました。
講演の後には参加者からも多くの質問が寄せられ,活発な質疑応答が行われました。
本講演会には,本学学生,教職員,一般市民ら約1,000人が視聴者として参加し,普段は聞くことの出来ない素粒子や宇宙について触れる貴重な機会となりました。