大学院畜産学研究科畜産科学専攻博士前期課程1年の吾田佳穂さんが,11月22日(金)~24日(日)に金沢星稜大学(石川県)にて開催された第25回「野生生物と社会」学会大会において,最優秀ポスター賞を受賞しました。
「野生生物と社会」学会は,野生生物と人との多様な関係性を対象とする多様な学問分野のプラットフォームとなり,これらの学術研究や実践的な知見を広く社会に示すことを目的としています。学問領域は,野生生物の生態,保全や被害対策に限らず,自然科学と社会科学およびこれらの分野横断領域を含み,課題解決に取り組む実務の場にも貢献しています。
今回の学会大会では,研究者,実務者,学生など150人以上が参加し,12のテーマセッションと48のポスター発表が行なわれました。ポスター発表の中から,吾田さんが発表した「ロードキルに気をつけろ!防風林のマエ・ウシロ」が最優秀ポスター賞に選ばれました。
農地景観に存在する防風林は,野生動物の生息地として機能しており,その近くにある道路ではロードキル(野生動物と車の衝突事故)が多く起こることが予測できます。野生動物の保全および運転者の安全確保という観点から,ロードキルの発生環境を予測し,対策を講じる必要があります。
吾田さんは,北海道十勝地域の農地景観において,野生動物の生息地となる防風林に着目し,道路に出現する動物と防風林との位置関係を解析しました。
本研究により,防風林からある一定範囲では,野生動物(本研究ではアカギツネを対象)が道路およびその近傍に出現する確率が高いことが明らかとなったため,防風林周辺での減速など,ロードキル防止に向けた取り組みが必要であることが示されました。
吾田さんは「初めてのポスター発表でこのような賞を受賞でき,非常に嬉しいです。ポスター発表にあたり,ご指導いただいた浅利先生,調査への協力・研究へのアドバイスをいただいた野生動物ゼミのみなさまに深く感謝いたします。また,他大学の先生方などからも様々な視点からのアドバイスをいただき,学会参加・発表の大切さを感じました。今回の学会で得たものを今後の研究に生かしていきたいです。」と喜びを語りました。