岐阜大学大学院連合獣医学研究科3年(本学配属)の前澤誠希さんが,11月14日(木)~15日(金)に岩手県盛岡市で開催された第50回日本家畜臨床学会学術集会において,最優秀発表賞を受賞しました。
日本家畜臨床学会は,日本国内の産業動物臨床獣医師および獣医学関連の研究者338名(令和元年正会員数)から構成されており,産業動物の臨床研究とその発展を図ることを目的として活動しています。
今回の受賞は,本学術集会において発表された23演題から,最優秀発表賞として表彰されたものです。前澤さんが発表した研究演題は「ホルスタイン種乳用牛におけるB細胞マーカーの共発現を伴うT細胞性リンパ腫の1症例」です。
通常リンパ腫細胞はB細胞およびT細胞のどちらか一方の特徴を示しますが,前澤さんは免疫組織化学的手法を用いて症例を詳細に検索することで,B細胞およびT細胞の両方の特徴を示す腫瘍細胞の存在を証明しました。乳用牛におけるリンパ腫の多くは,B細胞が腫瘍化する地方病性牛白血病であるとされてきましたが,本研究により牛においてもB細胞およびT細胞両方の特徴を示すリンパ腫の存在が明らかになったことから,B細胞およびT細胞両方に対する検査を行う重要性が改めて強調されました。
前澤さんは「この度は,このような素晴らしい賞を頂き,大変光栄に思います。本学会の発表の多くは3~6人による研究であるのに対し,私の発表は9人もの研究者が関わっています。本研究はとても多くの助けを得て行われ,私一人では,このような賞を頂戴するほどの研究を行うことはできません。今回の受賞は,熱心に御指導くださった先生方,症例を紹介してくださった臨床獣医師の先生,および共に学んできた友人たち等,多くの方のお力添えによるものであったと思います。先生方や友人たちへの感謝の気持ちを忘れず,今回頂いた賞を励みに,今後より一層,研究に励んでいきたいと思います。」と受賞の喜びを語ってくれました。