11月28日(水)に本学大会議室において,敷島製パン株式会社との共同研究成果について記者会見を行いました。
本学と敷島製パン株式会社は平成24年に包括連携協定を締結し,共同研究の実施や敷島製パン株式会社の社員が本学の大学院に社会人入学するなど,組織的な連携協力推進体制のもとで研究者間交流等を深めてきました。
当日は,生命・食料科学研究部門の山内宏昭教授及び中村正准教授と,敷島製パン株式会社の研究員で,現在本学大学院に社会人学生として在籍中の猪股大祐氏の3名による説明を行いました。
共同研究においては,これまで,「北海道産小麦粉を用いた湯種製パン法に関する研究開発」で特許を8件出願してきました。今回の共同研究「「ゆめちから」由来乳酸菌の利用に関する研究」においては,北海道で生産された小麦「ゆめちから」の小麦粉から調製した発酵種から数種の乳酸菌を新たに分離し,その中から“製パン・製菓に有用なオリジナル乳酸菌”として『ゆめちから乳酸菌®』(特願2018-149099)を選定しました。
この『ゆめちから乳酸菌®』は,新規に取得したPediococcus pentosaceusという種の乳酸菌でパンをしっとりさせる,マイルドな酸味を付与するという優れた特徴を持った菌株です。本菌株を用いて作製した発酵種をパン製造に用いることで,従来から敷島製パン株式会社が使用している一般的な乳酸菌の発酵種を用いた場合と比較して,マイルドな酸味としっとりとしてやわらかな食感を持った,これまでにない良好なパンの製造が可能になりました。
敷島製パン株式会社は『ゆめちから乳酸菌®』を用いた発酵種を使用することで,マイルドな酸味,フルーツの味わいを感じやすい「パネトーネ」を商品化しました。「パネトーネ」は,イタリア発祥の伝統的な発酵菓子パンで,クリスマス向けの商品です。
この商品は,12月1日(土)から敷島製パン株式会社のPasco夢パン工房 手稲店・野幌店で発売するとともに,12月3日(月)から帯広畜産大学生活協同組合の購買で100個限定で発売します。