9月10日(火)から12日(木)までつくば国際会議場で開催された第162回日本獣医学会学術集会において,共同獣医学課程6年の山口燿平さんが,日本獣医解剖学会奨励賞(学部学生部門,第33号)を受賞しました。今回の奨励賞は,研究内容に関する口頭発表をおこない,獣医解剖分野を専門に活躍する複数の著名な学会員により審査されました。
山口さんの発表演題は,「ウミガメ類の鼻腔構造における形態学的ならびに組織学的解析」です。ウミガメ類の鼻腔構造に関して,形態学的および組織学的な解析を行うことで,その特徴的な3憩室1陥凹構造と3種の感覚上皮の存在を明らかにしました。またウミガメ間の比較を行うことでカメ類は鼻腔構造をより複雑化させることで水生適応する可能性を示しました。こうした成果により,絶滅危惧種である希少なウミガメ類の嗅覚器や生態についてさらなる理解が深まり,繁殖活動や保護活動の一助とされることが期待されます。
山口さんは,「初めて参加した学会でこのような賞を受賞したことを大変光栄に思うとともに,この賞はご指導・ご協力いただいた先生方,関係者の皆様のおかげであると感じております,誠にありがとうございます。基礎研究分野を通じて獣医学分野に貢献できるよう,またウミガメ類の保護活動に少しでも助力できるようこれからも研究に精進していきたいと思います。」と喜びを語ってくれました。