8月29日(木)~31日(土)に札幌の藤女子大学北16条キャンパスで開催された日本食品科学工学会第66回大会において,畜産科学課程4年の長岡眞誉(ながおか しほ)さんが「トマト調味料添加が加熱ソーセージの貯蔵に伴う脂質酸化および物性・色調に及ぼす影響」と題した口頭発表およびポスター発表を行い,若手の会企業賞を受賞しました。
トマト調味料は日本人にも馴染みが深く,赤色のもととなっているリコペンやビタミンなど様々な栄養成分を含んでいます。一方,脂質を多く含む食肉加工品は貯蔵中に酸化劣化が進みやすく,退色や物性変化などを招くことが課題となっており,これらを改善することが求められています。長岡さんは自身の研究の中で,トマト調味料を加熱ソーセージに添加することで脂質酸化や退色を抑制することを明らかにし,さらには調味料の種類によって硬さや弾力性,噛みやすさが異なることを見出しました。この知見はトマト調味料が品質劣化を改善することに加え,調味料の使い分けによっては高齢者など噛む力が低下している人に対しても食べやすい食肉製品を提供することができるという一つの可能性を示すものとなりました。また,多くの研究者より様々なコメント・質問を頂き,今後の研究において大変有益なディスカッションができました。
長岡さんは「初めての学会でこのような賞を受賞して大変光栄に思います。発表後にはたくさんの助言をいただき,大変勉強になりました。また本研究にあたり,ご指導・ご協力いただいた先生方,研究室の皆様に深く感謝いたします。」と喜びを語ってくれました。