12月2日(土)から3日(日)まで北海道大学農学部で開催された日本農芸化学会北海道支部第2回講演会及び日本栄養・食糧学会第47回北海道支部大会において,畜産科学課程食品科学ユニット4年生の佐藤 駿さんが日本栄養・食糧学会北海道支部の学生優秀発表賞を受賞しました。
日本栄養・食糧学会は,栄養科学ならびに食糧科学に関する学理及び応用の研究についての発表,知識の交換,情報の提供を行う事により,栄養科学,食糧科学の進歩普及を図り,わが国における学術の発展と国民の健康増進に寄与することを目的に,1947年に設立された歴史ある学術団体です。
佐藤さんの受賞研究課題は「機能性大麦BARLEYmax(Tantangara)のin vitroにおける腸内環境改善効果」です。佐藤さんが研究を行ったBARLEYmaxという品種はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で開発され,食物繊維が通常の大麦の約2倍以上含まれており,人の健康の維持増進に役立つプレバイオティクスとしての効果が期待できる素材です。この大麦の食物繊維はβ-グルカンが豊富に含まれており,世界的に研究が進んでいて腸内環境改善,脂質代謝改善等の健康機能性が知られています。
佐藤さんは,本学栄養生化学研究室で開発されたin vitroの大腸発酵モデル装置を用いて研究し,有用菌であるビフィズス菌及び乳酸菌の増加,短鎖脂肪酸の増加,腐敗物質の減少等有益な結果が得られたことを実証しました。
今後は,動物試験によりその効果を確認し,新たなプレバイオティクス素材として食品科学及び予防医学の分野で期待が持たれます。
佐藤さんは「この度の受賞をとても光栄に思っており,本研究にあたり,ご指導いただいた先生方に深く感謝いたします。今後とも食品素材の研究を通じて,食品科学分野や予防医学分野に貢献することを目指して努力したいと思います。」と受賞の喜びを語りました。