家畜に病気を起こすウイルス

牛、豚や鶏などの家畜・家禽では、生産者や臨床獣医師の方々の努力によってその健康が維持されます。しかし、その健康は時にウイルスや細菌、寄生虫などの感染によって脅かされます。中でもウイルスは、さまざまな変異を起こしたり、他の国や地域から新しい性質をもった株が侵入したりして、その制御が困難になることも少なくありません。ウイルスは必ずしも動物に対して悪さをするとは限りませんが、大切なことは、家畜の健康を脅かすウイルスの感染実態や特徴をよく知ることです。現状の診断法やワクチンで対処できるウイルスであれば有効な対策が提案できますし、変異などによって対処できないものであれば、新たな診断法やワクチン候補を開発する必要があります。私たちは、大切な家畜・家禽をウイルスから守るための研究に取り組み、生産者の方々の支えとなるような成果を生み出していきたいと思います。

この文を書いた人 白藤 浩明 教授
所属 研究域/獣医学研究部門/基礎獣医学分野/応用獣医学系