佐藤 綾乃 准教授 SATO Ayano

研究テーマ牛の跛行の早期発見・予防につながる病態解明と牛群管理、牛の跛行のメカニズム

My Dream牛運動器疾患の発生予防への貢献

所属・担当

研究域獣医学研究部門/臨床獣医学分野/産業動物獣医療学系動物医療センター/産業動物診療科
学部(主な担当ユニット)獣医学ユニット
研究分野 獣医学, 畜産学, 動物生命科学
キーワード 牛, 乳牛, 蹄病, 跛行, 画像, 手術

研究紹介

牛の跛行は乳牛において、繁殖障害に次ぐ重要な疾病です。成牛の跛行では、蹄病が運動器疾患の約80〜90%を占めます(photo1)。その中でも蹄の角質に生じる蹄病は発生要因が複雑に絡んでおり、これまでの研究では牛の動きをカメラを使用して解析することで、削蹄の影響や環境変化における微細な運動の変化を調べてきました(photo2)。生産農場で飼養される牛は、自然環境と異なる硬い床の上で生活により蹄が伸びやすいため、蹄の伸び方に着目して荷重のバランスと適切な削蹄法についても検証しています(photo3,4)。また子牛に跛行を引き起こす運動器疾患に関しては、現在においても鑑別が難しい疾病も多く、疾病が整理しきれていないのが現状です。また感染によるものは、牛群の飼養管理の影響も受けています(photo5)。疾病の不明点を明らかにして飼養管理に結びつけて予防につなげることも研究の目的の1つです。

成牛の蹄角質で生じる蹄病で最も多い蹄底潰瘍(photo1)
肢関節の動きを床面の滑走状況で比較した研究(photo2)
牛の蹄底面のCT画像と対比させた超音波検査画像(photo3)
CT-3D画像により蹄骨と蹄角質のバランスが分かりやすくなる(photo4)
子牛の運動器感染症で多い関節炎の股関節の炎症画像(左)と正常画像(右)の比較(photo5)

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

  • 牛の蹄角質と内部構造・荷重バランスが牛の蹄発生に与える影響に関する研究
  • 牛の関節疾患における臨床研究
  • 牛の趾皮膚炎における細菌叢に関する研究
関連産業分野 獣医学, 畜産
所属学会 日本獣医学会, 日本家畜臨床学会, 家畜感染症学会, 獣医麻酔外科学会
学位 博士(獣医学)
資格 獣医師(獣医学)
自己紹介

静岡出身で、お茶もコーヒーも好きです。山口大学卒業後から北海道で牛の臨床に携わり、研究では牛の運動器・跛行の研究に携わってきました。北海道は産業動物の仕事をする上で最高の環境です。

居室のある建物産業動物臨床棟
部屋番号210号室
メールアドレス ayn-sato atmark obihiro.ac.jp

卒業研究として指導可能なテーマ

  • 牛の蹄角質と内部構造・荷重バランスが牛の蹄発生に与える影響に関する研究
  • 牛の関節疾患における臨床研究
  • 牛の趾皮膚炎における細菌叢に関する研究

メッセージ

牛の臨床獣医師の業務は、全てやる!が基本です。私も牛の臨床獣医師として大学卒業後から北海道でずっと仕事をしており、途中から大学での研究も継続してきました。今は牛の外科を中心に仕事をしており、治療の判断には内科や繁殖の知識、更には画像診断などの総合的な知識を念頭に置くことが必要です。ここでは、リアルな症例の治療を間近で見ることが出来ることに加えて、検査や診断を通し自分の手を動かして考えることで、疾病の理解を深めることが出来ます。また、牛の外科疾患の中でも蹄病は乳牛において重要な疾病であり、蹄病は治療するだけではなく、なぜ発生するのか?発生予防にはどうするのか?の群管理レベルでの目線も必要であり、広い視点と知識が必要です。
産業動物の獣医師は、日本の食をダイレクトに支える非常にやりがいのある仕事です。産業動物の獣医師になるための地盤を固めたいという人も、産業動物の臨床を今後の人生に役立てたいという人も、一緒に診療と研究活動をしてみませんか?