令和7年10月12~18日(7日間)にコタバル市 (ケランタン州、マレーシア)で開催された18th Asian Society of Conservation Medicine Conferenceにおいて、新垣光美さん(共同獣医学課程6年、指導教員:冨安洵平助教)がExcellent poster awardを受賞しました。
この賞は、優れたポスター発表に対して授与されるものです。
新垣さんの発表演題は、「Morphological study of tail glands in Ezo sika deer (Cervusnippon yesoensis), エゾシカ尾腺の形態学的研究」です。
エゾシカは農業被害などが問題になっており、野生動物管理において重要な動物ですが、その個体間の関係や行動生態の理解が十分でありません。本研究ではエゾシカの個体間のコミュニケーションに重要な臭腺に着目し、形態的な解析を進めました。その結果、エゾシカの尾部では皮膚腺が変形・肥大化し、尾の大部分を構成していることが明らかになりました。このため、尾部皮膚腺からの分泌物が個体間の情報伝達に関与していることが示唆されました。今後、尾部からの分泌物の役割を解明することで、エゾシカの基礎生態の解明が期待されます。
受賞にあたり、新垣さんは、「この度は名誉ある賞を頂戴し、誠に光栄に思います。ご指導してくださった先生方や本研究にご協力していただいた皆様に深く感謝申し上げます。この受賞を励みにさらなる解析を進め、エゾシカの諸問題に対する解決の糸口を見つけたいと思います。」と喜びを語りました。
