令和7年6月18日(水)に、帯広畜産大学にて、日本で初めて顕微授精で誕生した仔馬の公開見学会を開催しました。
この仔馬は、南保泰雄教授、羽田真悟准教授、渡部浩之准教授の共同研究により、生体卵巣から吸引した馬卵子の体外成熟、顕微授精、体外培養胚の移植という一連の高度な生殖補助技術を駆使して誕生した、国内初の成功例です。
今回は報道機関を対象に見学会が行われ、研究成果や日本在来馬保存への可能性について紹介するとともに、仔馬の健やかな姿を間近でご覧いただきました。
南保教授は、「誕生した仔馬は、生後2週間を迎え、とても健康に成長しています。日々の健康管理を継続し、将来的には繁殖馬としての活躍も視野に入れています。今後も、先進的な生殖技術を活用し、馬の命をつなぐ研究と地域貢献に取り組んでいきたい。」と語りました。
なお、この研究の背景には、日本在来馬の飼養頭数が国内の全馬の3%未満にとどまり、その保全と持続的な生産が求められている現状があります。今回の成果は、希少な在来馬の保存や、ホースセラピー等への利活用に適した馬の安定的な生産に貢献するものであり、次世代型の生殖技術として、さらなる発展が期待されます。
また、本研究は、日本中央競馬会畜産振興事業「体外受精等次世代型の日本在来馬生産法確立事業」の支援のもと実施されています。