令和6年6月11日(火)、忠類ナウマン象記念館(幕別町)と大学および学生が協働してヒグマの骨格標本作製に取り組みました。この取り組みは、幕別町で捕獲駆除されたヒグマを教育活動に活用し、博物館と本学学生の協働・交流を活性化することを目的として、獣医学研究部門冨安 洵平助教と主森 亘特任研究員が添田 雄二学芸員(幕別町)と協同し実施しているものです。
令和6年8月7日(水)に、前回作製した骨格標本と同一個体の毛皮を解凍してから解剖台に広げ、皮についている肉や脂肪を除去し、皮なめしの作業を行いました。
当日は、獣医学ユニットで解剖学を学ぶ学生や学生サークル「えぞほね団」のメンバーをはじめとした8名と、忠類ナウマン象記念館職員が参加しました。
作業の指導監修を行ったえぞほね団の檜山志歩さん(家畜生産科学ユニット3年)は「今まで様々な動物種のなめし毛皮作りをしてきましたが、なかなか自分より大きい動物の全身の毛皮を触ることや、なめすことは無いため、非常に貴重な体験となりました。完成まではまだ時間がかかりますが、満足のいくものを作製したいです。また、多くの人にヒグマの大きさやその毛並みなど本物を近くで体感して頂けるような毛皮となり、様々な人の貴重な体験となるお手伝いが出来るように頑張りたいと思います」と話しました。
また、同サークルの代表である有川慶彦さん(環境生態学ユニット3年)は「えぞほね団は、骨格標本の作製を主な活動とする全国的にもユニークなサークルであり、近年では皮なめし作業にも積極的に取り組んでいます。ヒグマに対する社会的関心が高まっている中、博物館の方と協同で標本作製を行い、サークル活動で培った技術が展示の作製協力という形で実を結んだことを、大変光栄に思っています。また、標本を取り巻く多くの情報に触れ、博物館の活動を知る貴重な経験が得られました。この毛皮標本が標本作製の背景やその過程、そしてヒグマという生き物について知るきっかけになれば嬉しいです。」と話しました。
今後、ヒグマの毛皮はあと数回の作業を重ねて皮なめしの標本となり、来年3月には忠類ナウマン象記念館にて展示される予定です。