第60回肉用牛研究会福島大会(10月18日(水)~20日(金):白河文化交流館コミネス)において,大学院博士前期課程畜産科学専攻2年の宮田あゆさん(指導教員:口田圭吾教授)が肉用牛研究会奨励賞を受賞しました。
肉用牛研究会奨励賞は,毎年開催される研究会における一般発表の研究課題の中から,発表審査を経て,発表内容等が優秀と認められる発表者に対して授与される賞です。今大会では,20演題の一般発表の中から1演題が受賞しました。発表内容の新規性や肉牛産業に与えるインパクト,質疑応答の的確さなどが評価され,受賞に至りました。
宮田さんの発表演題名は「黒毛和種肥育牛における超音波画像を用いた人工知能による生体時BMS推定」です。宮田さんは,熟練した読影力を要する超音波画像からのBMS(牛脂肪交雑基準)判定について,人工知能(AI)を活用し,その有用性を検討しました。多くのデータを福島県畜産研究所等と共同で収集し,動画情報を使ってAIに学習させ,人間と同等あるいはそれ以上の精度でのBMSの判定に成功しました。
脂肪交雑は牛枝肉の取引の中で重要な肉質形質であり,その多少が枝肉取引金額に大きな影響を及ぼします。飼料価格高騰の中,飼料代を節約するために短期での出荷を目指す生産者が増えていますが,このような形態で出荷される牛には脂肪交雑が十分でない個体もおり,超音波によるBMS判定技術が広く普及すれば,短期間での肥育形態における利益の確保に役立つ技術になると考えられます。
宮田さんは,「このたびはこのような栄誉ある賞をいただき大変光栄に思います。この研究は,共同研究機関の皆様をはじめとした,数え切れないほど大勢の福島牛生産にかかわる皆様のご協力によって遂行できたものです。この場をお借りしまして,深く感謝申し上げます。今後も,福島牛の復興に貢献できるように研究を続けていきます。」と受賞の喜びを語りました。