日本畜産学会第130回大会(9月14日(水)~9月17日(土):東京農業大学)において,大学院博士前期課程畜産科学専攻2年の川村野乃花さん(指導教員:後藤達彦助教)が「English Presentation Award」を受賞しました。「English Presentation Award」は英語によって優秀な発表をした者に与えられる賞です。
川村さんは「Genetic parameter estimates for size, weight, color, and amino acid of egg in Hinaidori chickens」の発表演題で,秋田県畜産試験場との共同研究の成果を英語で報告し,プレゼンテーションや質疑応答の内容が優秀と認められました。
鶏卵の成分の一つである遊離アミノ酸は味に関わっている成分であることがわかっており,これまでの研究から,卵の遊離アミノ酸含量は品種などの遺伝要因,飼料などの環境要因の両方によって変化することが報告されていますが,遺伝要因がどのくらいの割合で影響しているのか(遺伝率)は報告されていませんでした。本研究では,卵の遊離アミノ酸の遺伝率を推定することを目的として,日本鶏のヒナイドリを使用して研究を実施しました。高付加価値化を目指した鶏卵生産では,飼料組成を変化させることが注目されてきましたが,本研究の結果から遺伝要因の影響も小さくないことが明らかになったため,今後の卵の高付加価値化に役立つ新しい知見が得られたと考えられます。
川村さんは「English Presentation Awardに挑戦する際は,英語での質疑応答などに不安があったためチャレンジするかどうか迷いましたが,周りの方々に練習を手伝ってもらえたおかげで,学会では良い発表ができました。また,その結果としてこのような賞をいただけたので大変うれしく思います。現在は,本学の国際共同研究推進のための大学院生派遣プログラムを活用し,ウィスコンシン大学マディソン校で研究を進めているので,今後さらに発展した研究成果を報告していきたいと思っています。」と受賞の喜びを語りました。