本学では,平成27年度よりグローバルアグロメディシン研究センターを設置し,米国コーネル大学及びウィスコンシン大学と学術交流協定を締結して,国際共同研究の促進,各大学との人材交流を深め,本学における獣医学・農学分野の強化を促進しています。
今年度,同センターではコーネル大学主催の二つの教育プログラム(AQUAVET Ⅱ及びSummer Dairy Institute)に中郡 翔太郎さん(岐阜大学大学院連合獣医学研究科博士課程2年)と羽立 薫さん(同2年)を派遣し,このたび帰国報告会を開催しました。
AQUAVET Ⅱに参加した中郡さんからは,昨年度参加した同プログラムⅠでは,水棲動物が研究,飼育されている施設等を視察する機会が多い総論的な内容であったのに対して,今回のプログラムⅡは1日のほとんどが水棲動物の病理学に関する講義や実習であったとの説明がありました。また,忙しい合間に仲間と楽しく過ごす等,充実した研修であったこと等も紹介されました。最後に,「これから研究者を目指す上で,今回知り合った仲間や先生とのネットワークが一番の財産となった。」と語られました。
Summer Dairy Instituteに参加した羽立さんからは,6週間のプログラムで農場経営について学ぶ時間がもっとも多く,これからの米国での獣医師には個体診療よりもマネジメントが求められている現状が報告されました。ケースファームプロジェクトでは,グループに分かれ実際に農場を訪問し,最終日に,このプログラムで学んだことを参考に,衛生面での改善点を指摘することができ,オーナーに喜んでもらえたのが励みになったことも紹介されました。また,今後参加を検討している学生に向けて,「いろいろな場面で自分の考えを聞かれることが多かったので,英語力に加えてコミュニケーション能力も大切。」とアドバイスがありました。
今後,二人が得た知見を,本学の教育に活用していきます。