8月20日(月)~24日(金)の5日間,本学において国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)科学技術体験コース」を実施しました。
本事業は,日本の最先端の科学技術への関心を高め,研究機関や企業が必要とする人材育成を目的としたもので,今回,中国農業大学(北京市)と同大学煙台研究所(山東省煙台市)の副院長,准教授,大学院生ら計11名を受け入れました。中国農業大学と本学環境農学研究部門の梅津研究室は,ともに畜産バイオマスを利用したバイオガスの研究に取り組んでおり,実施期間中には両大学の最近の研究成果報告や双方の学生を中心とした意見交換のほか,道東地域に建設されているバイオガスプラントの見学を通して積雪寒冷地におけるプラントの特色や運転技術等を学びました。また,畜産廃棄物処理では処理後の有機物やそれらに含まれる細菌,薬剤耐性菌等による土壌汚染が問題視されており,特に中国では水環境への汚染対策が喫緊の課題となっています。
今回の交流を通し,バイオガスプラントは,畜産廃棄物由来の汚染物質を浄化する機能を有するとともに,処理残渣効果的に処理し堆肥や液肥等の有機肥料として農地へ還元することでバイオマス資源の循環を実現する技術であるという認識を高めることができました。中国農業大学はこの研究分野では世界屈指の大学であり,本学にとっても新しい知見を得ることができ,実りの多いものとなりました 。
最終日には今回の事業をきっかけに今後も交流を継続して大きな研究成果に繋げる意欲を喚起し終了しました 。