2021年11月13日(土)に帯広畜産大学(オンライン)で開催された日本動物遺伝育種学会第22回大会において、畜産科学課程家畜生産科学ユニット4年の大谷暢さん(グローバルアグロメディシン研究センター・農畜産学研究部門・後藤研究室)が優秀発表賞を受賞しました。大谷さんは「ジトッコが示す毛冠の表現型とHOXC10の構造多型との関連」という発表演題で、宮崎県畜産試験場および宮崎大学との共同研究の成果を報告しました。
日本には多様なニワトリ品種(日本鶏;約40品種)が存在しています。昭和18年に天然記念物に指定されたジトッコ(地頭鶏)という日本鶏品種は、宮崎県で生産されている地鶏ブランド「みやざき地頭鶏」の親品種として用いられており、頭部には毛冠と呼ばれる特徴を有しています。
(https://www.angrin.tlri.gov.tw/apec2003/Chapter3JpChicken.pdf)
毛冠を示すポーリッシュやウーダンなどの外国鶏10品種においては、毛冠の表現型に関わる遺伝子が明らかにされていましたが、日本鶏のジトッコが示す毛冠に関する情報は不足していました。
大谷さんは、みやざき地頭鶏の生産にかかわる3世代の家系を用いて、ジトッコが示す毛冠の表現型とHOXC10遺伝子における構造多型との関連を遺伝学的に明らかにすることに成功しました。その結果、毛冠を示す外国鶏10品種とジトッコの共通祖先において起こった突然変異によって、毛冠の表現型が現れたのではないかということが明らかになりました。
大谷さんは「受賞者発表の場で、まさか自分の名前が呼ばれるとは思いませんでした。初めての学会発表でしたが、自分の研究に対して様々な意見を受けることができ、得るものが多くありました。このような賞をいただけたのは先生をはじめ、共同研究者の堀之内先生や関口先生、研究室の皆さんのおかげです。ありがとうございました。」と喜びを語りました。