7月14日(土),15日(日)に,愛媛大学で開催された日本水環境学会(WET2018)において,大学院畜産学研究科博士後期課程畜産衛生学専攻3年の潘 志飛さん(中国)が「Effect of Anaerobic Digestion Temperature on Survival of Pathogenic and Cefazolin-resistant Bacteria in Dairy Manure(乳牛糞尿中に存在する病原菌とセファゾリン耐性菌の生存に与える発酵温度の影響)」と題する発表で「WET Excellent Presentation Award」を受賞しました。
潘さんは,現在問題となっている畜産環境における病原菌や薬剤耐性菌の出現の対策として,発生源と考えられる畜産廃棄物を嫌気発酵処理し,その有効性をこれまで検討してきました。発表では病原菌や薬剤耐性菌を含む乳牛糞尿を様々な温度で嫌気発酵処理した結果,温度が高くなるほど大腸菌等の病原菌やセファゾリン耐性菌の死滅に効果的であること,カンピロバクターは残存しやすいため長い処理時間が必要と考えられることを見出し高く評価されました。
潘さんは,「今後はさらにメタン発酵処理で得られる消化液を液肥として利用し,その上での植物成長促進効果や安全性について検討していきたい。」と今後の抱負を語りました。