2016年12月南米パラグアイ国に,本学の「パラグアイオフィス」を設置したことにより,パラグアイ生産者組合連盟(FECOPROD)からの要請で,6月1日に原虫病研究センターの五十嵐 郁男教授が牛バベシア病の講演を行いました。この講演会は,首都アスンシオンの北西部,チャコ地方ロマ・プラタ市で行われたEXPO PIONEROの,「世界ミルクの日(6月1日)」のイベントの一環として開催され,100名を超える畜産農家が参加しました。
チャコ地方は,畜産地帯として有名で,肉牛・乳牛の生産がともに盛んな地域ですが,畜産農家の牛バベシア病についての知識が乏しく,生産性に課題があります。五十嵐教授は,牛バベシア病を引き起こす原虫と感染ルート,感染した牛の臨床症状とその見分け方,また薬剤による牛の治療方法の注意点,ダニ駆虫剤の正しい使い方について丁寧に説明し,注意を促しました。講演会には,2006年に原虫病研究センターのJICA研修コースに参加した元研修員も片道4時間の道のりを駆けつけ,五十嵐教授と懐かしい再会を果たしました。
なお,このイベントに先立ち,同市内にあるチョルティツアー農業協同組合のミルクの製粉工場の開所式が行われ,パラグアイ生産者組合連盟(FECOPROD)会長からの挨拶の際,同国の酪農発展に本学が寄与していることに触れ,長年の先生方,学生・卒業生の活動を評価すると共に,感謝の意が述べられました。
その他,SENACSA(国立家畜衛生局),アスンシオン大学でも講演会を行い,それぞれ約70名,約150名と多くの獣医師,教員,学生が参加し,どの会場でも大盛況でした。
五十嵐教授は,すべての講演会において,他国の事例を持ち込むのではなく,その土地にあった牛バベシア病対策が必要であることを話され,現地での疫学調査に基づいた対策の重要性を伝えました。
詳しくは帯広畜産大学「パラグアイオフィス」を設置をご覧ください。