1月9日(水)とかちプラザ視聴覚室において,本学の馬に関する最新の研究内容等から人と馬の関係を考える講演会「馬と仲良くなる~馬の心をのぞいてみよう~」を,公益財団法人日本装削蹄協会及び帯広市教育委員会の協力のもとに開催しました。
本事業は,公益財団法人全国競馬・畜産振興会の助成事業「障がい者乗用馬ならびに在来馬の生産法確立事業」の一環として開催したもので,道内外から120名を超える多くの参加者が聴講しました。
本講座は,南保泰雄教授(馬介在活動室長)による研究内容の講演と,楠瀬良氏(公益社団法人日本装削蹄協会特別参与)による講演の2部構成で開催しました。
南保教授からは,「障がい者や初心者に安全な馬の生産研究」と題して,人工授精法と受精卵移植法を同時に活用した馬の効率的な生産繁殖技術に関する研究内容を紹介しました。障がい者乗馬普及の課題として,小柄でおとなしく障がい者が安心して乗れる馬の不足が挙げられているなか,本研究では優れた遺伝子を持つ母馬に由来する受精卵を他の雌馬に胚移植,代理出産させることで,小柄でおとなしい性質を持つ仔馬を1年に複数頭生産する技術の確立を目指していることを説明しました。
楠瀬氏からは,「馬の心をのぞいてみよう」をテーマに,馬が好む敷料の素材や,馬は飼い主のことを理解しているのか等,馬の目線から馬の行動を説明しました。中でも,過去に行われた実験の結果から,馬が記憶力に非常に優れた動物であることを科学的に紹介すると,参加者は興味深そうに頷いていました。
参加者から,「大学の馬に関する取り組みを知ることができて良かった。」「馬の気持ちや能力について科学的な実験から学ぶことができて有意義だった」といった感想をいただきました。