相川 知宏 准教授 AIKAWA Chihiro
My Dream細菌感染症の制御を目指す
研究テーマ細菌の宿主特異的病原性機構の解明
研究分野
キーワード
卒業研究として指導可能なテーマ
- 宿主細胞内でのサルモネラ属細菌の生存戦略機構の解明
- 鶏、あるいはマウスへのサルモネラ属細菌の感染による病原性評価
メッセージ
私が研究者を目指すきっかけとなったのは,学部生時代に家禽疾病学実習を受けたことでした。この実習を受けて,初めて講義で学んだことが自分の中でスッと具現化していくのを感じましたし,何より実験が楽しかったという記憶があります。実習がこんなに面白いなら研究室に配属したらもっと楽しいだろうと,家禽疾病学研究室の門を叩き,そして案の定,微生物学研究の魅力に取り憑かれたわけです。今に至るまでに,20年近くウイルスや細菌の研究に携わってきましたが,今でもやはり研究は楽しいものです。講義が楽しかった,微生物学実習や伝染病学実習が楽しかったという学生の皆さん,是非一緒に研究をしませんか。獣医微生物学研究室では知的好奇心に溢れた学生を歓迎します。
学位 | 博士(生命科学) |
自己紹介 |
東京都出身です。これまで主に化膿性レンサ球菌の病原性機構の解明や治療薬(化合物・抗体)の開発に携わってきました。趣味はキャンプです。 |
居室のある建物 | 総合研究棟Ⅰ号館 |
部屋番号 | S2102-3 |
メールアドレス | caikawa obihiro.ac.jp |
所属・担当
研究域/獣医学研究部門/基礎獣医学分野/応用獣医学系動物・食品検査診断センター/細菌分野研究紹介
サルモネラ属細菌の研究はネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium, ST)を用いて盛んに行われてきました。STが腸管上皮細胞に侵入すると,Salmonella-containing vacuole(SCV)と呼ばれる小胞が形成されます。大半のサルモネラはSCV内で増殖しますが,一部はSCVの破裂によって細胞質へと移行します。細胞質に移行したサルモネラの半数は自食作用(オートファジー)により消化・排除されますが,もう半数は局所で爆発的に増殖します。この局所的な大増殖は炎症を伴う溶解(パイロトーシス)を誘導します。一方,STと同じく全身感染型サルモネラに分類されるサルモネラ属細菌にSalmonella enterica serovar Gallinurum(SG)がいます。SGは鳥類を宿主とし,感染により宿主に急性致死的敗血症性疾病を引き起こすことが知られています。SGもSTと同様に細胞侵入に関わる病原性因子を保持していますので,宿主細胞に侵入すると考えられますが,SCVの形成などの細胞内イベントの多くは現在までに分かっていません。そこで,SGの細胞内動態を可視化することを目標に研究を進めていきたい思っています。
現在取り組んでいる研究テーマ一覧
- 宿主細胞内でのSalmonella enterica 血清型 Gallinariumの生存戦略機構の解明
関連産業分野 | 養鶏産業, 動物衛生・公衆衛生 |
所属学会 | 日本細菌学会 |
学歴・職歴 | 2006年 北里大学 獣医畜産学部動物資源科学科 卒業 2008年 北里大学 大学院感染制御科学府 修士課程修了 2011年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 博士課程修了 2011-2015年 日本学術振興会・特別研究員(PD) 2015-2023年 京都大学 大学院医学研究科 助教 2023年- 現職 |