宮崎 直美 特任助教 MIYAZAKI Naomi
研究テーマ人の手で再生される森林の生態を知り、森林の成長を促す方法などを考える
所属・担当
研究域/人間科学研究部門/自然科学・体育学分野/自然科学・体育学系研究分野 | 森林生態学, 緑化工学 |
キーワード | 都市域, 木本植物, 草本植物, 森林再生, 緑化, 育成方法 |
研究紹介
一度自然が失われた都市域などで再生される森林の生態と、その生態にもとづき、人がどのような方法で森林を育てていけば良いかを研究しています。研究を始めたきっかけは、畜大の学生時代に、100年の計画でふるさとの森をつくる取り組みがおこなわれている都市公園「帯広の森」に感銘を受け、自分も携わってみたいと思ったからです。帯広の森の森づくり活動は、多くの市民の参加により続けられています。
環境保全機能などの役割を担う目的で、都市域に樹木などを植栽して再生される森林は、林床植生に外来種が多く入り込むなど、自然の森林とは生態が異なります。樹木の生育を長期間にわたり、継続調査することは困難なため、都市域に再生される森林の形成過程や更新過程などは不明なところが多くあります。研究では、主に北海道の寒冷地に成立する広葉樹林、針葉樹林を対象としています。森林での現地調査では、植生調査をおこない、どんな木本植物や草本植物が生育しているか種類を調べ、その植物がどのような状態で生育しているのか被度などを測定します(写真1)。また、現地の植物がどのような環境で生育しているのか、光環境なども調べます(写真2)。現地の調査から、森林の状態を分析します。また、都市域に再生される森林の多くは、人の手により育てていく育成管理や、状態を維持するための維持管理などがおこなわれています。再生される森林の育成や維持を、人の手によってどのように促進できるのか、森林の状態をもとにアイデアなど出したり、議論をおこなうことで検討しています(写真3)。さらに、少なくとも100年と言われる森林の育成に関わり続ける人をどのようにつないでいくかを検討することも大切な課題です。長期的な森づくりに向けて、森に関わる人との連携性・継続性を高める森づくり体制の構築などを、森づくりの担い手の育成や子供達への環境教育の面からも考えていきたいと思っています。
現在取り組んでいる研究テーマ一覧
1)都市公園「帯広の森」での森林生態と森林復元に関する研究
・木本実生の更新について
・間伐による木本実生の成長について
・木本実生と親木との距離と遺伝関係について
・ニセアカシア萌芽枝の伐採における作業性の評価
・イワミツバの刈り取りが抑制に与える影響
・「帯広の森」植栽地が自然環境に与える影響(気象観測を用いて)
2)耕作放棄地の二次遷移に関する研究
関連産業分野 | 自然科学分野, 緑化工学分野 |
所属学会 | 日本緑化工学会, 日本景観生態学会 |
学位 | 博士(農学) |
自己紹介 |
子供の頃から犬が好きで、畜大入学時は動物を研究したいと思っていました。 |
居室のある建物 | 総合研究棟Ⅰ号館 |
部屋番号 | 3階 S-3105-1 |
メールアドレス | n.miyazaki obihiro.ac.jp |
メッセージ
研究内容等に興味を持った方、気軽に研究室にお越し下さい。メールも気軽に下さい。
まずは、実際にフィールドに出て、植物を観察したり、種類を調べたり、森の状態について一緒に考えましょう。