永田 龍次 助教 NAGATA Ryuji

研究テーマ腸内細菌叢を介して全身の健康を増進する食品素材の探求

My Dreamどんな食事も健康的に

所属・担当

研究域生命・食料科学研究部門/食品科学分野/食品加工利用学系
学部(主な担当ユニット)食品科学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)畜産科学専攻食品科学コース
研究分野 食品栄養学, 栄養生化学
キーワード 腸内細菌, 腸内発酵, プレバイオティクス, プロバイオティクス, 難消化性でんぷん, 食物繊維, オリゴ糖, ポリフェノール, 難消化性タンパク質, 副産物利用, 腸管免疫, 糖代謝, 脂質代謝, 次世代シークエンシング

研究紹介

ヒトの大腸には1000種類,100兆個にも及ぶといわれる腸内細菌が生息しています(いわゆる善玉菌だと乳酸菌やビフィズス菌,悪玉菌だと大腸菌など)。それらの細菌は多様なはたらきを示し,有用な細菌の活性化は腸内環境を改善して全身の健康にも影響を与えます。当研究室では,食品の摂取により腸内細菌の活性化を通して腸内環境や全身の健康を改善する効果について研究しています。腸内細菌叢の網羅的解析や,腸内細菌の発酵代謝産物の定量などを通して評価を行なっています。
腸内細菌は,様々な栄養素を発酵することで腸内環境に影響を与えます。一方で,食品の摂取により大腸に生息する腸内細菌に栄養素を供給するためには,小腸で消化吸収されにくいものでなければなりません。そこで,当研究室で主に注目している食品成分は食物繊維や難消化性でんぷん,難消化性タンパク質,ポリフェノールなどであり,これらを含む食品素材を扱っています。これらの成分は含まれている食品素材によって性質が様々であり,腸内細菌にも異なる影響を与えます。食品素材や成分ごとの効果の特徴および作用機序を明らかにすることで,有益な食品素材の探求を進めていきます。

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

腸内細菌叢および腸内環境,糖・脂質代謝に有益な食品素材およびそれらの組合せの探求

所属学会 日本栄養・食糧学会, 日本食物繊維学会, 日本農芸化学会
学位 博士(農学)
自己紹介

北海道十勝出身です。帯広の高校を卒業後,帯広畜産大学で博士課程まで過ごしました。趣味はお酒・飲み会,バーベキュー,野球観戦,読書です。

居室のある建物総合研究棟3号館
部屋番号4階413号室
メールアドレス rnagata atmark obihiro.ac.jp

卒業研究として指導可能なテーマ

主に食物繊維,難消化性でんぷん,難消化性タンパク質,ポリフェノールなどの食品成分やこれらを含む食品素材に着目し,腸内細菌叢・腸内環境,糖・脂質代謝などへの影響を明らかにする。
過去の研究テーマの例
・in vitro試験における機能性大麦BARLEYmaxとカカオポリフェノールの組合せが腸内発酵特性に及ぼす影響
・小豆餡投与によるラットの腸内発酵特性および抗肥満効果
・金時豆の摂取がラットの脂質代謝および腸内環境に与える影響
・紫サツマイモポリフェノールとイヌリンの組み合わせによるラットの腸内発酵への影響
・難消化性でんぷんを多く含むじゃがいもでんぷんがラットの腸内発酵特性に及ぼす影響
・湿熱処理ソルガムの摂取がラットの腸内発酵および脂質代謝に及ぼす影響

メッセージ

私は高校生の頃まで運動部に所属していたこともあって,食品の栄養や代謝に興味を持ちました。その後,帯畜大の授業で「体内に吸収されない食品成分が健康に良いはたらきをする」ということを非常におもしろく感じ,腸内細菌・腸内発酵などの栄養学の分野に足を踏み入れました。
「食」は非常に身近なもので世の中に情報も溢れていますが,理解があいまいなままになっている部分も多くはないでしょうか。当研究室での研究を通して「食」への理解を深め,世の中の様々な情報に対して自分で考え判断する力を身に付けてみませんか。そして,学んだことをぜひみなさんの周りの人たちに伝えてあげて欲しいと思います。
将来研究を仕事にしなくとも,学生の時に研究に取り組むことは非常に貴重な経験です。興味を持って取り組んでくれる方を歓迎します。
食の宝庫である十勝で食品科学・栄養学を一緒に学びましょう。