島田 紘明 助教 SHIMADA Hiroaki

My Dream土壌生成学から作物生産力向上のヒントを見つけ出す。

所属・担当

グローバルアグロメディシン研究センター/農畜産学研究部門研究域環境農学研究部門/植物生産科学分野/植物生産科学系
学部(主な担当ユニット)植物生産科学ユニット
大学院(主な担当専攻・コース)畜産科学専攻植物生産科学コース
研究分野 土壌学, 土壌生成分類学
キーワード 土壌, 土壌断面, 土壌肥沃度

研究紹介

土壌生成学は、土壌がどのようなプロセスを経て今の姿になっているのかを考える学問です。実際の作物生産には、土壌生成の結果としてできた、土壌の現在の特性が重要となります。土壌生成学の分野でよく用いられる手法として、土壌断面調査が挙げられます。1 mほどの穴を掘って、その横顔を観察するという手法です(図1)。この土壌断面観察から、色や構造の違いによって層に分け、それぞれの層位ごとにサンプルを採取して土壌の特性を調べる実験を行います。
土壌の特性と一口に言っても、土壌自体は様々な種類の有機物と無機物が複雑に絡み合っているため、すべての側面を同時に考察することは困難です。それらを一歩ずつ解釈していくため、これまでは主に土壌団粒に着目してきました(図2)。具体的には、大きくても数ミリ、あるいは数マイクロメートルスケールで分画した土壌を対象として、有機物と無機物がどのように存在しているのか、そしてその関係性が炭素や窒素の循環にどのように効いているのかをテーマに研究を行ってきました。これらは、土壌がどのように有機炭素などを固定しているのか、などのメカニズムを探求するために非常に有用な手法です。
帯広畜産大学は広大な農地に囲まれており、マクロなスケールの調査だけでも面白い研究ができる環境にあります。今後は、これまでミクロスケールで観察してきた事象を土台として、そこから得られる知見がどのように現場の農業と結び付けることをメインの課題として研究活動を行いたいと考えています。

黒ボク土の土壌断面写真
黒ボク土の大きめな土壌団粒

現在取り組んでいる研究テーマ一覧

  • 土地利用の変化が土壌の特性に与える影響
  • 土壌断面調査を活用した肥培管理技術の構築
関連産業分野 農学, 肥料
所属学会 日本ペドロジー学会, 日本土壌肥料学会
学位 博士(農学)
自己紹介

神奈川県出身です。日々の食卓を支える農業に関わりたくて入った大学で、土壌のおもしろさに魅せられました。土壌がどのようにできて、どういう特徴を持っているのか、それを農業につなげられるような研究を目指して頑張ります。

居室のある建物総合研究棟Ⅱ号館
部屋番号202号室
メールアドレス hiroaki atmark obihiro.ac.jp

卒業研究として指導可能なテーマ

  • 黒ボク土の特性の解明に関する研究
  • 作物の肥培管理技術の向上に関する研究

メッセージ

魅力的なフィールドに囲まれた帯広畜産大学は、土壌学と農学を結び付けた研究を行うのにうってつけの大学です。現場での課題は様々な要因が絡み合い、一見すると答えがないように思えるものがほとんどです。これらを土壌学や作物学の知識を用いて、一つずつひも解いていくのは貴重な経験になると思います。また、環境土壌学研究室では、化学実験も野外調査もどちらも行う場合がほとんどです。ラボでの実験だけでなく、フィールドに出て土を感じたい!という方も大歓迎です。私自身、帯広の土壌について分からないことがたくさんあるので、みなさんと一緒に成長していければと思います。