令和8年9月18日(金)、パラグアイ共和国の首都アスンシオンにおいて、帯広畜産大学が同国にて実施してきた独立行政法人国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業第3フェーズ「パラグアイ酪農の持続可能な発展をめざすネットワークを活用した酪農家支援」の成果報告を行いました。
今フェーズでは、酪農情報システムを活用した飼養管理技術の普及や、酪農家や農協獣医師の間での知識・経験の共有体制の構築を目指して、2022年3月から活動を実施してきました。また、帯広-JICA協力隊連携事業の学生派遣ボランティアとも連携し、小・中規模酪農家の生活向上支援を行ってきました。
アスンシオンにあるパラグアイ生産者組合連盟(FECOPROD)で行われた成果報告では、獣医学研究部門の松井基純教授と環境農学研究部門の耕野拓一教授が報告を行いました。松井教授からは、8月~9月に実施した学生ボランティアの活動について報告がありました。パンデミック後の2024年以降、5回の学生派遣を実施し、農家訪問調査で得られた情報を分析して改善案を提案してきたことや、搾乳手技やサイレージの品質管理、繁殖管理の問題点の見つけ方など、多くの点で個々の酪農家の課題を抽出し提案を行ってきたことなどについて報告がありました。耕野教授からは、各農家の乳量や乳脂肪分、乳価、体細胞数等を3か月ごとに1年間調査し、一部農家には地域平均と比較する形でレーダーチャート形式でフィードバックした結果、非フィードバック群に比べてフィードバック群の各種評価が改善したことや、自分の状況を把握し損失回避や改善に向けた行動へつながることなどが説明されました。続いて、本事業の業務調整員として日本側、現地側との調整、酪農家や農協獣医師への研修指導を行ってきたイシカワ フジオカ コウジ デニスさん(2020年本学大学院修了)から、4年半のプロジェクト期間で得られた酪農情報データの解析結果について報告がありました。特に乳質データにおいては2015年~2023年の間で35万件以上が得られており、細菌数は改善傾向が見られるものの、個体の総乳量に関係する体細胞数は依然として大きな値となっており、引き続き課題となっています。
FECOPRODのマルセロ事務局長からは、パラグアイ国内35の組合を代表して、このような活動が全国へ広がっていくことを期待しており、また若い日本人学生の訪問は非常に価値があり、学生の視点や意見は現地にとって新鮮なものであることから、今後も継続・拡大をしてほしいとのコメントがありました。

