令和7年7月28日(月)に本学附属図書館にて、人間科学研究部門 第18回研究紹介セミナー「キハダの果実名と樹木名に見るアイヌ語と日本語の接触」を開催しました。
今回は、落合いずみ准教授が、アイヌ語を起点として、日本語にどのように借用され、多様な形式へと変化していったのかを言語学的視点から考察しました。
講演では、アイヌ民族が食用とする果実「sikerpe(シケㇽペ)」が、樹木名として日本語に取り込まれていく過程や、その変化のバリエーション、さらにそれらの語が北海道から関西地方にまで分布していることから見えてくる、古代におけるアイヌと大和の接触の可能性について紹介されました。
セミナーの最後には、これまでに紹介されたアイヌ語を振り返る目的でクイズが行われ、他分野に所属する学生からは、「自分が研究している生物の分布の広がり方と似ていると感じた。」といったコメントも寄せられるなど、分野を越えた視点での交流が生まれる機会となりました。
次回は、10月に開催予定です。