帯広畜産大学と北海道自然電力株式会社は、北海道十勝地域の農畜産業におけるカーボンニュートラルの実現及び持続的発展に貢献するため、令和6年8月20日付で連携協定を締結しました。
この協定により設置された「北海道自然電力共同研究講座」の課題のひとつとして、本学の畜産フィールド科学センター圃場(以下、「実証圃場」という)にて垂直式太陽光発電設備を活用した大規模な営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の実証研究を行う予定です。このたび、実証圃場において営農型太陽光発電に必要な農地転用許可を取得し、6月下旬から9月下旬にかけて圃場での垂直式太陽光発電設備の設置工事を実施することが決定しましたので、お知らせいたします。
【実証研究の目的】
十勝地域における基幹作物(小麦、豆類、てん菜(ビート)、牧草)の栽培や農業経営、景観等に対し垂直式太陽光発電施設の設置による影響を多角的に評価し、地域農業と再生可能エネルギーの共存モデルの確立を目指します。
【ソーラーシェアリングにおける垂直式太陽光発電設備の特徴】
垂直式太陽光発電設備は、従来の営農型太陽光発電設備で多く使用されていた藤棚式や追尾式と比べ、土地や地上部の空間に対して設備の専有面積が少ないことが特徴です。これにより、農作物の収量への影響や農業機械作業への干渉を抑えられることが期待できます。
(参考)https://shizenenergy.net/re-plus/column/smart/solar/agrivoltaics_types/
【太陽光発電所の概要】
発電規模:743.04 kW(定格出力)
設置場所:帯広畜産大学畜産フィールド科学センター圃場
工事期間(予定):令和7年6月下旬~9月下旬(圃場)、~11月中旬(大学構内)
発電開始時期:令和7年12月より本学へ電力供給が開始される予定です。
- 工事期間中の注意事項など
安全管理には十分配慮いたしますが、工事期間中は車両の出入りにご注意いただきますようご理解とご協力をお願いいたします。
【今後の展望】
帯広畜産大学では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、省エネルギーおよび再生可能エネルギー利用を積極的に進めています。
また、今回の実証研究に先立って、実証圃場における野鳥・野生動物の利用状況調査を実施しています。事前調査では、飛来日数は多くはないものの希少な鳥類が実証圃場付近を利用することが観測されており、これらの鳥類への配慮を検討するため引き続き調査を行います。さらに、農村景観への影響についても評価する予定です。
実証研究では、農業が盛んな十勝地域のソーラーシェアリングによる再生可能エネルギーの利用可能性の検証だけでなく、地域の生態系や自然環境との共存を図る方法についても検討します。
なお、実証研究の一部は、令和6年度地域中核大学イノベーション創出環境強化事業によって整備された次世代農畜産技術実証センターによる支援を受けて実施されます。
次世代農畜産技術実証センターWebサイト;https://univ.obihiro.ac.jp/~alihub/
【お問い合わせ先】
帯広畜産大学 産学連携センター 担当:高橋
E-mail:crcenter☆obihiro.ac.jp
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