2月6日(火)エスコンフィールドHOKKAIDO(北広島市)にて日本ハム株式会社、東京農業大学、江別製粉株式会社、敷島製パン株式会社および本学による産学連携の取組みおよび新商品の記者発表を行いました。
本学では、環境農学研究部門・大西一光准教授がスペルト小麦と北海道産春まき小麦の交雑から育成した新品種「ちくだい1号(品種登録出願中)」について、東京農業大学・笠島真也准教授と日本ハム株式会社との共同研究によりオホーツク地域での栽培適性評価および効率的な栽培技術の開発を行ってきました。
「ちくだい1号(品種登録出願中)」は、スペルト小麦の優れた特性を持ち北海道での栽培に適した品種の開発を目指して育成され、全粒粉にした場合に豊かな風味があり、固い穀皮を持つことで赤かび病に強い特徴があります。
本取組みでは、この小麦新品種を日本ハムグループの圃場で養豚堆肥を利用して栽培した小麦ブランド「えふのちから」を、江別製粉株式会社の特徴的な風味を生かす石臼製法で全粒粉として製粉し、敷島製パン株式会社Pasco札幌セントラルキッチンにて北海道産小麦「ゆめちから」とブレンドしたイングリッシュマフィンに加工したのち、さらに日本ハム株式会社の新商品「えふのちから使用※シャウMeatマフィンとして製品化が進められてきました。
※マフィンの穀物中の9%を使用(以降、「シャウMeatマフィン」と表記)
「シャウMeatマフィン」は、エスコンフィールドHOKKAIDO(3月12日発売予定)および日本ハム株式会社のオンラインサイト「Meatful」(2月29日発売予定, https://www.meatful.jp/)にてマフィンキットとして販売される予定です。
本取組みの推進を担当してきた産学連携センター・東陽介准教授は、「大西准教授の長年の研究の積み重ねと多くの学生の協力により、本学で初めてとなる小麦の品種登録出願を行うことができました。そのような大学の研究成果を産学の連携により消費者の皆様に届く商品にしていただいたこと、日本ハムをはじめ関係者の皆様に深く感謝申し上げます」と語っていました。
*スペルト小麦は、中世まではヨーロッパで広く栽培されていましたが、難脱穀性(種子が硬い穀皮に包まれる特性)を持つため、収穫しやすい現在の小麦に置き換えられてきました。しかしながら、スペルト小麦の特徴的な風味や香りが再評価され、近年ヨーロッパで再び栽培面積が増加しています。
*シャウMeatマフィンのパティには、日本ハム株式会社の「シャウエッセン」のお肉を使用したオリジナルパティが使われています。