7月8日(土)に「川と歩み 川に学び 明日を拓く~十勝川治水100年記念事業シンポジウム~」を開催しました。
本シンポジウムは,帯広畜産大学野生生物保全管理技術養成事業の一環として,「十勝川治水100年記念事業」に賛同し,帯広市民大学講座と連携して開催したものです。環境農学研究部門の栁川久教授に加え,本学構内に酒蔵「碧雲蔵」を設置している上川大雪酒蔵株式会社の川端慎治総杜氏を講師に迎え,十勝川の治水,環境,市民生活との関わりについて講演を行いました。
栁川教授は,「治水と環境,SDGs~十勝川中流部市民協働会議の活動~」と題し,地元高校生と共に行っている魚類調査や,タンチョウを十勝に移住させる取り組みなど,地域住民と共に川づくりを進めている「十勝川中流部市民協働会議」の活動を紹介しました。
川端総杜氏は,「日本酒を造るとは,水,川,米と共に」と題し,水の硬度の違いが日本酒の味に深く関わっており,十勝の水が碧雲蔵の日本酒を特徴づけていることや,米をはじめとする物資を運ぶ「幹線道路」としての十勝川の歴史などに触れ,十勝の水と日本酒造りの関係について語りました。
当日は57名の方が参加し,講演に耳を傾けました。参加者からは「専門家と地域の人が一緒に協力して事業に取り組んでいることを知り,感動した」「十勝川の恵みが,地域の生き物や日本酒などの産業に与えた影響の大きさを知ることができた」などの感想があり,十勝川の環境や利活用について理解を深める機会となりました。