6月30日(金),令和5年度「学生の酒造りプロジェクト」の「留仕込み」作業を報道関係者向けに公開しました。
本プロジェクトは,学生が実際の現場で酒造りの経験を通じて学ぶ実践的な教育の機会として,大学構内の酒蔵「碧雲蔵」で実施しているものです。今年度は「特別純米酒」造りに取り組んでおり,上川大雪酒造株式会社の若山健一郎杜氏,山根桃華杜氏補佐(大学院博士後期課程3年)ら職人による指導のもと, 10名の学生が清酒製造に参加しています。
今回実施した「留仕込み」は,酒母に蒸米,麹,水を4日間かけて3回に分けてもろみを仕込む「三段仕込み」の最後の工程になります。この工程では,蒸し上がった酒米を一定の温度に冷まし,櫂を用いて均一になるようにもろみに混ぜていきます。
畜産科学課程4年の栗田千晴さんは,「研究室では日本酒の研究をしており,実際に酒蔵での作業を体験したいと思って参加した。米の品種ごとの違いや,同じ品種でも水分の吸い具合が異なるなど,今まで座学で学んでいたことを実感でき,とても勉強になっている。完成したら実家の家族に飲んでもらいたい。」と語りました。
また,研究室所属の学生がプロジェクトに参加している,生命・食料科学研究部門の菅原雅之准教授(醸造微生物学)は,「学生には,机上での科学だけでなく,現場で微生物がどのように関与しているかを実際に体験して欲しい。その体験を自身の研究に活かす形で役立てて貰えたら嬉しい。」と語りました。
今後,7月下旬に圧搾,8月上旬にかけて瓶詰めを実施し,9月にラベル貼りを行い,完成する予定です。本プロジェクトで製造された日本酒は,10月上旬より,帯広畜産大学生活協同組合にて数量限定で販売される予定です。なお,この日本酒の売上の一部は,本学の教育・研究に活用されます。