畜産科学課程3年の川村野乃花さんが,官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に採用され,オーストラリアに留学します。本学では13人目の採用者となります。
川村さんが大学1年生で初めてファームステイしたのは養鶏牧場で平飼い農家でした。その後,大学の実習ではじめてケージ飼いの鶏を見たときに,そのあまりに老いて痛々しい姿にショックを受けたのと同時に,日本では約95%がこの飼い方であることを知り,衝撃を受けました。このことから養鶏や動物福祉に興味が湧き,3年生で現在の研究室に所属しました。現在は鶏の飼い方の違いで卵の美味しさや機能性に違いがあるのかを研究しています。
留学先にオーストラリアを選んだのは,既にケージ飼いを禁止しているEUとは違い,そのような法律が無いにも関わらず,多くの生産者と消費者が自発的に平飼いを実践し,購入していることから,学ぶことが多いと考えたからです。
現地では,生産者側と消費者側の両方の観点から学べるような計画を立てました。先ずは,生産者側となる農家で生活を共にし,オーストラリアの畜産に対する考えを知り,次に世界最大級の動物愛護団体であるRSPCAでのボランティア活動から,消費者の考え,何故多くの人が動物福祉に配慮しているのかを学びます。
最後に両方の考え方を知った上で,再び生産者側となる農家に滞在する予定です。
帰国後は,留学で学んだことを日本の平飼い養鶏家に共有するほか,実際に活用できることがないか,検討を進めることにしています。また,川村さんは,「留学期間は卒業後の進路をじっくり考える時間でもある。」と語りました。
3月11日(水)に,奥田潔学長への出発の挨拶を行いました。奥田学長からは,「採用おめでとう。問題意識を持って留学するのは大変素晴らしいこと。知らない人との出会いから,苦労し,学んでください。」と励ましの言葉がありました。