日本遺伝学会第96回大会(令和6年9月4日(水)~9月6日(金):高知工科大学永国寺キャンパス)において、大学院博士後期課程畜産科学専攻2年の若林妙恵さん(指導教員:加藤清明教授)がBest Papers賞を受賞しました。
本賞は、一般講演を対象として、選考により優れた講演に授与されます。
若林さんは、「日本型イネ品種間の交雑後代に生じる低温感受性の雑種崩壊に関わる2遺伝子の相互作用」と題した研究成果を発表しました。雑種崩壊は交雑F2以降の世代で生育不良や不稔を生じる生殖隔離機構の1つです。本研究では、北海道のイネ品種「きらら397」と「ゆきひかり」間の交雑組合せで生じる雑種崩壊に関わる2つの遺伝子間の相互作用について、新たな知見を発見しています。この成果は、種分化の主要因である生殖隔離の形成メカニズムの解明や交雑育種においては、遺伝子交換の制限を克服する技術の開発に寄与することが期待されます。
若林さんは「このような賞をいただき大変光栄に思います。本研究の成果を踏まえ、イネ品種改良のさらなる向上や、種分化といった生物学の浪漫あふれる分野の研究が一層発展していくことを願っています。また、研究においてご指導いただいた方々に、心より感謝申し上げます。」と語りました。