最近では、犬や猫も長生きするようになり、人と同じようにがんや心臓病が増えてきました。ただ、人と違うところは言葉を交わすことができないため、調子が悪い、痛い、気持ち悪いといった意思疎通ができません。そのため、「どのくらい病気が進行したのか?」、「薬が効いているのか?」といった事が判断できず、どのように治療を進めていけばいいのか疑問に思うことが多々あります。この疑問を解決するために、当研究室では、超音波診断装置や血液中の成分を調査することによって、心臓病やがんがどの程度進行しているか調べることができます。足の細い血管から少しだけ血液はもらいますが、ほとんど負担はかからないため、どの犬や猫も検査に協力してくれます。小さな心臓でも、構造は我々の心臓とほとんど変わらず一生懸命動いています。少しでも長く、満足して生きてもらえるように日々研究に励んでいます。

この文を書いた人 吉田 智彦 准教授
所属 研究域/獣医学研究部門/臨床獣医学分野/伴侶動物獣医療学系動物医療センター/伴侶動物診療科