国際獣疫事務局(World Organization for Animal Health: WOAH)について
世界182の国と地域が加盟して家畜と畜産品の安全・安心確保を目指す国際機関「国際獣疫事務局(World Organization for Animal Health: WOAH)」では,世界最先端の研究組織や専門家をコラボレーティングセンターやリファレンスラボラトリー専門家に認定し,最新の研究成果を新たな動物感染症診断法開発やワクチンの国際標準化等に活用しています。また各疾病の専門家チームが各種疾病に対する診断法をまとめたテレストリアルマニュアル(WOAH Terrestrial Manual,英文)を策定し,各国の防疫・診断業務の標準化を行っています。
QUICK LINKS
- World Organization for Animal Health: WOAH
- Reference laboratories
- Collaborating centres
- WOAH Regional Representation for Asia and the Pacific
- 農林水産省―国際獣疫事務局(OIE)
原虫病研究センターWOAH専門家の紹介,活動概要
WOAHコラボレーティングセンター
コラボレーティングセンターは,特定の専門分野(動物用医薬品,新興感染症等)において技術的な支援等を行っています。2017年5月末現在,29カ国,55施設が認定されています。原虫病研究センターは「家畜原虫病の監視と制圧」というテーマで,平成20年5月にアジア初となるWOAHコラボレーティングセンターに認定されました。
WOAHリファレンスラボラトリー
リファレンスラボラトリーは,個々の動物疾病の診断及び診断方法に関する助言や診断に利用する標準株・診断試薬の保管等を行っています。2017年5月末現在,38カ国,267施設が指定されています。
横山 直明 教授
平成31年3月にウシバベシア病(Babesia bovis, B. bigemina感染症)及びウマピロプラズマ病(B. caballi, Theileria equi感染症)に関するWOAH専門家に任命されました。4年毎のWOAHテレストリアルマニュアルの改定に携わり,ウシバベシア病及びウマピロプラズマ病に関する防疫・診断法の国際標準規格を策定しています。また,生体の国際輸出入に伴うウシバベシア病及びウマピロプラズマ病診断に関するコンサルティング業務も随時行っています。
井上 昇 学長補佐
平成19年5月にスーラ病(Trypanosoma evansi感染症)に関するWOAH専門家に任命されました。WOAHの主催するNTTAT(非ツェツェバエ媒介性動物トリパノソーマ病)専門家会議,アドホックグループミーティングを通じてWOAHテレストリアルマニュアルの改定に携わり,動物トリパノソーマ病に関する防疫・診断法の国際標準規格を策定しています。また,国際生体輸出入に伴う動物トリパノソーマ病診断に関するコンサルティング業務も随時行っています。
活動報告
- WOAH reference Laboratories(WOAH,英文)
- Bovine babesiosis(2021,英文)
- Equine piroplasomosis(2021,英文)
- Surra (Trypanosoma evansi) (2021,英文)
診断業務
各リファレンスラボラトリーは,WOAHテレストリアルマニュアルのウシバベシア病診断方法,ウマピロプラズマ病診断方法ならびにスーラ病診断方法に準拠した方法により,該当疾病に対する診断業務を行っています。診断業務のうち,「WOAH Manual of Diagnostic Tests and Vaccines for Terrestrial Animals」に基づくウシバベシア病,ウマピロプラズマ病及びスーラ病のPCR法を用いた原虫病DNA判定試験」は平成29年3月にISO/IEC 17025認定を取得し,国際水準の精度管理下で実施されていることが外部機関により担保されています。⇒原虫DNA判定試験の依頼はこちら