論文発表

2019.05.21
家畜病原性原虫ネオスポラの感染をコントロールするワクチンを開発しました

Critical role of TLR2 in triggering protective immunity with cyclophilin entrapped in oligomannose-coated liposomes against Neospora caninum infection in mice.
Fereig RM, Abdelbaky HH, Kuroda Y, Nishikawa Y.
Vaccine. 2019 Feb 8;37(7):937-944. doi: 10.1016/j.vaccine.2019.01.005. 

論文リンク:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X19300362?via%3Dihub

PubMed:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30660401

2019.02.08:論文発表
ネオスポラ(Neospora caninum)はウシの流産を引き起こす病原性原虫です。ネオスポラの蔓延は畜産業に経済的損失をもたらしますが、ワクチンや治療薬などは開発されていません。我々のこれまでの研究により、ワクチン抗原をオリゴ糖リポソーム内へ封入することで効果的な防御免疫を誘導できることが明らかとなっています。今回、ネオスポラのサイクロフィリンを封入したオリゴ糖リポソーム(NcCyp-OML)を作製し、ワクチン効果を検証しました。NcCyp-OMLをマクロファージに作用させるとNF-κBを活性化し、炎症性サイトカインIL-12の産生を促進させるました。NcCyp-OMLの免疫により抗原特異的な抗体産生と細胞性免疫を誘導することが可能で、マウスの感染実験において感染マウスの生存率を優位に向上させました。このワクチン効果はToll様受容体2(TLR2)欠損マウスでは認められなかったことから、NcCyp-OMLの効果を発揮させるためにはTLR2が必要であることが明らかとなりました。今回の結果は、ネオスポラのワクチン開発にはTLR2依存的な免疫誘導が重要であることを示しています。

本研究結果はエジプト・South Valley大学との共同研究の成果であり、一部は基盤研究(B)(一般)(日本学術振興会:15H04589, 18H02335)の研究助成で実施しました。

2019.05.21
フタトゲチマダニ(単為生殖系)卵母細胞の発育過程を明らかにしました

Intracellular localization of vitellogenin receptor mRNA and protein during oogenesis of a parthenogenetic tick, Haemaphysalis longicornis.
Umemiya-Shirafuji R, Mihara R, Fujisaki K, Suzuki H.
Parasit Vectors. 2019; 12(1): 205. doi: 10.1186/s13071-019-3469-9.

論文リンク:https://parasitesandvectors.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13071-019-3469-9

PubMed:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31060579

マダニは原虫、リケッチア、ウイルスといった様々な病原体を家畜や人に媒介する吸血性節足動物です。マダニは、卵、幼ダニ、若ダニ、成ダニ(雌・雄)と発育し、その発育には吸血行動が必要不可欠です。雌ダニが吸血を終えて満腹状態(飽血)に達すると、その体重は吸血前の約100倍も増加し、獲得した栄養分のほとんどすべてを数千個におよぶ卵の発育に利用します。マダニが媒介する病原体の中には、雌ダニから次世代の卵、幼ダニへと移行するものがあり(介卵伝播)、その代表的な原虫にバベシアが挙げられます。例えばバベシア感染動物で雌ダニが吸血すると、バベシア感染幼ダニの発生に繋がり、それらの幼ダニは次の宿主動物に対する感染源となります。しかし、マダニにおいてバベシアの介卵伝播がどのようにして成立しているのか、その仕組みはまだ明らかにされていません。
バベシアの介卵伝播メカニズム解明のためには、第一に、マダニ卵母細胞の発育過程(卵形成)を理解することが重要です。我々はこれまで、原虫病研究センターにおいて累代飼育しているフタトゲチマダニ(単為生殖系)を用い、卵形成の分子機構解明、卵母細胞の発育ステージ分類基準の確立を行ってきました。今回の研究では、卵母細胞の発育に必須の卵黄タンパク質前駆体(ビテロジェニン;Vg)に着目し、その受容体(VgR)の卵母細胞におけるmRNA発現およびタンパク質の局在を解析しました。その結果、VgRの発現と局在は、卵母細胞の発育ステージにより異なるパターンを示すことが分かりました。また、卵母細胞は、急速吸血期にステージⅠからⅡ、飽血後にステージⅡからⅢへと発育し、その後、VgRを介したVg取り込みが活発化することによりステージⅢからⅣへと移行し成熟することが明らかになりました。本研究の成果は、マダニにおけるバベシアの介卵伝播を分子・細胞レベルで解析する上で有用な基礎的知見であり、今後の研究進展が期待されます。

本研究は、主に日本学術振興会 科学研究費助成事業(科学研究費補助金)、公益財団法人 秋山記念生命科学振興財団の支援の下、帯広畜産大学において実施されました。

2019.01.09
発生工学の応用によるマラリアの予防・治療法の開発についての総説が出版されました

Potential of Vitamin E Deficiency, Induced by Inhibition of α-Tocopherol Efflux, in Murine Malaria Infection.
Suzuki H, Kume A, Herbas MS.
Int J Mol Sci. 2018 Dec 24;20(1). pii: E64. doi: 10.3390/ijms20010064.

2018年12月:論文発表 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30586912 
発生工学とは、バイオテクノロジーの一分野で、動物の発生過程を人工的に制御して新しい動物を作り出すことを 目指すものです。医学・薬学あるいは獣医学領域における発生工学の魅力は、興味ある遺伝子の機能を動物の個体 レベルで解析可能にすることにあります。例えば、培養細胞を用いて血圧の制御にかかわる遺伝子の機能を観察 することは不可能ですが、発生工学は生体の高次機構の中で遺伝子機能を直接的に解析可能な検定系を提供できるので、 その解析結果の臨床研究への応用展開も容易にさせるといえます。これまでに発生工学から生み出されたたくさんの 遺伝子改変マウスが、生活習慣病、癌あるいは感染症などの理解のために活用されてきていますが、これには、 原虫関連疾患も例外ではありません。
 我々は、宿主の生理機能を修飾することによる原虫感染症の予防・治療の可能性を探索しており、これまでの ビタミンE転送タンパク欠損マウスを用いた解析から、宿主のビタミンE欠乏が原虫感染症に効果的に働くことを 明らかにしてきました。ビタミンE転送蛋白は、食餌中から吸収されたビタミンEを肝臓から循環中に放出させる 機能を有しています。この循環中のビタミンE濃度を規定する分子であるビタミン転送タンパクの機能不全は、 脂溶性の抗酸化物質であるビタミンE欠乏を招きますが、宿主の循環中のビタミンE欠乏は、寄生マラリア原虫のDNAに 障害を惹起し、マラリア原虫の増殖を抑制させる効果を発揮することが認められました。この効果は、マラリア原虫 のみならず「眠り病」の病原体であるトリパノソーマ原虫感染においても観察されたことから、広く宿主の循環中に 寄生する原虫の増殖抑制に働くことも期待されます。
 そこで、このストラタジーの臨床応用を目指すために、このビタミンE低下作用を誘導する化合物を探したところ、 既に上市されている高脂血症薬プロブコールが、ビタミンEの肝細胞からのエフラックスを抑制することに起因する 循環中ビタミンEレベル低下作用を有し、抗原虫効果を発揮することが見出されました。現在のマラリア治療においては、 薬剤耐性原虫の出現も大きな問題になっていますが、プロブコールと既存の抗マラリア薬である DHA (dihydroartemisinin)の併用効果が顕著であったことから、プロブコールの利用は薬剤耐性原虫の出現抑制にも 寄与することが期待されるところです。

2018.05.27
新たなネズミマラリア原虫遺伝子変異体の作製方法を開発しました

Development of a bsd-blasticidin selection system in Plasmodium berghei.
Soga A, Ko-Ketsu M, Fukumoto S.
FEBS Lett. 2018 Jun;592(11):1847-1855. doi: 10.1002/1873-3468.13100. Epub 2018 May 27

平成30年5月:論文発表 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/ 29774536
 マラリアは蚊によって媒介される世界最大規模の感染症で年間50万人以上の命を奪っており、 抜本的な対策法の確立が求められています。このような研究ではどのように感染が成立するのか、 遺伝子レベルでの解明が求められます。そこで、ヒトへの病原性を持たないネズミマラリア原虫をモデルとして用い、 標遺伝子機能を調べることが一般的です。しかし、従来の遺伝子組換え体の作製法は効率が悪く、 その結果として多くの時間・費用がかかることが研究進展のネックになっていました。 そこで本研究ではこの問題を解決するため、効率的な遺伝子組換えネズミマラリア原虫作製法の開発を試みました。 その結果、抗生物質であるブラストサイジンとその耐性遺伝子であるbsdを用いて遺伝子組換え原虫を作製可能な新たな 実験系を開発することに成功しました。今回確立した方法により、ネズミマラリア原虫において独立した薬剤マーカーにより、 最大4遺伝子を同時に破壊することが可能となりました。今後、この本法を用いた様々な解析により、 新たな治療薬・ワクチン開発にむけた研究の進展が期待されます。
本論文発表は日本学術振興会科学研究費補助金の支援を受けて実施されました。

2018.04.23
犬バベシア原虫の遺伝子組換え方法を確立しました

Establishment of a stable transfection system for genetic manipulation of Babesia gibsoni.
Liu M, Adjou Moumouni PF, Asada M, Hakimi H, Masatani T, Vudriko P, Lee SH, Kawazu SI, Yamagishi J, Xuan X.
Parasit Vectors. 2018 Apr 23;11(1):260.

平成30年4月:論文発表 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29685172
マダニに媒介される赤血球内寄生原虫であるバベシア属には約100種類同定されていますが、 牛に寄生する3種類(Babesia bovis、B. bigemina、B. ovata)のみについて遺伝子組換え方法が確立されていました。 他のバベシア原虫についても同方法の導入が求められています。 そこで、日本を含むアジア地域で犬に広範に流行し、ペット産業に深刻な被害を与えている、イヌバベシア原虫(B. gibsoni) について遺伝子組換え方法の確立を試みました。ゲノムの標的部位に外来遺伝子を導入し、安定発現を実現するために、 ef-1a遺伝子の上流と下流ゲノム断片を発現ユニット (ef-1αプロモーター:GFP ORF:ターミネーター:actinプロモーター:dhfr ORF:ef-1αターミネーター) の両側にもつプラスミドを構築し、虫体に導入した後に、薬剤選択を行ったところ、 相同組換えによりGFP遺伝子とdhfr遺伝子が標的ゲノム部位に組み込まれた組換え虫体の作製に成功しました。 また、標的部位のef-1α遺伝子がノックアウト(KO)されたことも確認しました。 今回確立した方法により、イヌバベシア原虫に外来遺伝子を自在に導入でき、 また、標的遺伝子を簡単にKOすることができるようになりました。 今後、イヌバベシア原虫の病原性遺伝子の特定・KOによる虫体の弱毒化と、 この弱毒化虫体をベクターとした新規組換えワクチン開発への応用が期待されます。
本論文の筆頭著者である劉明明君(大学院生)はこれらの研究成果により第9回日本獣医寄生虫学会奨励賞の受賞が決定しました。 なお、本研究はJSPS拠点形成事業(アジア・アフリカ学術基盤形成型)の支援を受けて実施されました。

2018.03.01
ピロプラズマ病に対する新たな薬剤開発

17-DMAG inhibits the multiplication of several Babesia species and Theileria equi on in vitro cultures, and Babesia microti in mice.
Guswanto A, Nugraha AB, Tuvshintulga B, Tayebwa DS, Rizk MA, Batiha GE, Gantuya S, Sivakumar T, Yokoyama N, Igarashi I.
Int J Parasitol Drugs Drug Resist. 2018 Apr;8(1):104-111. doi: 10.1016/j.ijpddr.2018.02.005. Epub 2018 Mar 1.

平成30年4月:論文発表 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29499568
ピロプラズマ病は、バベシアおよびタイレリアがマダニによって動物に媒介され、赤血球に寄生することにより、 発熱、貧血、血色素尿症を引き起こす難治性の原虫病です。ピロプラズマ病は世界的に分布し、 畜産業に大きな経済的被害を与える他、人にも感染することが知られ、人獣共通感染症としても重要です。 しかし、現在使用されている治療薬は副作用が強く、治療を受けた動物でも再発することが報告されています。 そのため、原虫を殺滅する効果と安全性が高い薬剤の開発が喫緊の課題です。 本研究では、熱ヒートショック蛋白質90阻害剤(17-DMAG)のバベシアとタイレリアに対する増殖抑制効果について検討を行いました。 その結果、17-DMAG は、牛バベシア(B. bovis, B. bigemina, B. divergens)、馬ピロプラズマ(B. caballi, T. equi)に対して 高い増殖抑効果対を有することが明らかになりました。また、B. microti感染マウスに17-DMAG 30 mg/kgを投与すると、 優れた治療効果が認められた。さらに、また、現在ピロプラズマ治療薬として使用されているジミナゼン・アセチューレートと17-DMAGを 併用すると、それぞれの投薬量を半分にしても、十分な治療効果が得られました。今後の研究により、17-DMAG は、 家畜のピロプラズマ病の新たな治療薬として実用化されるばかりでなく、現在人バベシア病の治療に用いられている薬剤との新しい 併用治療法としても期待されます。本論文の発表は日本学術振興会科学研究費補助金の支援を受けて実施されました。

2017.02.06
トキソプラズマに対する免疫応答がうつ様症状の発症を誘導することを明らかにしました

Involvement of host defense mechanisms against Toxoplasma gondii infection in anhedonic and despair-like behaviors in mice. 
Motamed E. Mahmoud, Ragab Fereig and Yoshifumi Nishikawa
Infection and Immunity
2017 Mar 23;85(4). pii: e00007-17. doi: 10.1128/IAI.00007-17.
Print 2017 Apr

平成29年1月:論文発表 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28138019
細胞内寄生原虫のトキソプラズマの感染は、ヒトにおける精神疾患の発症に関与することが考えられています。 我々の研究室では、トキソプラズマ感染がうつ様症状の発症を引き起こすことをマウス実験モデルで明らかにしています (Mahmoud et al., Behav Brain Res. 2016)。
今回の研究では、 トキソプラズマに対する免疫応答がうつ様症状の発症を誘導することを明らかにしました。 トキソプラズマに対する防御免疫反応には、炎症性サイトカインのインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)が必要です。 トキソプラズマ感染により、IFN-γが細胞に作用することでインドールアミン酸素添加酵素(Indoleamine 2,3-dioxygenase: IDO)が活性化され、 トリプトファンの代謝が亢進してキヌレニンが産生されることを確認しました。 キヌレニンはうつ病をはじめ様々な精神疾患全般の原因として考えられています。 トキソプラズマ感染は上記の経路を誘導し、宿主動物にうつ様症状が発症すると示唆されました。 さらに、このうつ様症状は抗炎症剤やIDO阻害薬で抑えることができました。 宿主免疫応答は病原体の排除に重要ですが、その副反応の一つとして精神疾患の発症に関与することに注意しなければならないと考えられます。
本論文発表は、最先端・次世代研究開発支援プログラム(日本学術振興会:2011/LS003)、挑戦的萌芽研究(文部科学省:15K15118)の研究成果です。

原虫病研究センター 教授 西川 義文 (西川研HP)

2016.08.08
トキソプラズマ感染による宿主動物の行動変化のしくみを解明

Toxoplasma gondii Infection in Mice Impairs Long-Term Fear Memory Consolidation Through Dysfunction of the Cortex and Amygdala.
Ihara F, Nishimura M, Muroi Y, Mahmoud ME, Yokoyama N, Nagamune K, Nishikawa Y. 
Infect Immun. 2016
Sep 19;84(10):2861-70. doi: 10.1128/IAI.00217-16. Print 2016 Oct.

原虫病研究センター 准教授 西川 義文 (西川研HP)、日本学術振興会特別研究員(DC1) 猪原 史成らの研究グループは、病原性寄生虫トキソプラズマの感染により宿主動物の記憶に障害が生じることを明らかにしました。

プレス発表 (新聞記事:十勝毎日新聞20160828)

2016.05.12
原虫病研究センター・国際連携協力部門・国際監視学分野・菅沼啓輔特任助教らが研究成果を発表しました

Mycophenolic Acid and Its Derivatives as Potential Chemotherapeutic Agents Targeting Inosine Monophosphate Dehydrogenase in Trypanosoma congolense.
Keisuke Suganuma, Albertus Eka Yudistira Sarwono, Shinya Mitsuhashi, Marcin Jąkalski, Tadashi Okada, Molefe Nthatisi, Junya Yamagishi, Makoto Ubukata, and Noboru Inoue. Antimicrobial Agents and Chemotherapy. 2016, May 2 online, doi:10.1128/AAC.02816-15. PubMed PMID: 27139487.

家畜トリパノソーマ症の治療薬は種類が限られるとともに、薬剤抵抗性のトリパノソーマ症が各国で報告されているため、新規治療薬の開発が求められています。本研究では、核酸合成酵素の一種であるInosine Monophosphate Dehydrogenase(IMPDH)阻害薬であるミコフェノール酸とその誘導体の抗トリパノソーマ活性を検討しました。その結果、薬剤標的酵素であるTrypanosoma congolense IMPDHが同定されました。さらに、試験管内抗トリパノソーマ活性評価系を用いた試験から、ミコフェノール酸とその誘導体が新規トリパノソーマ治療薬のリード化合物になりうること示唆されました。

2016.03.15
原虫病研究センター・感染免疫部門・生体防御学分野・西川義文研究室が研究成果を発表しました

Changes in neurotransmitter levels and expression of immediate early genes in brain of mice infected with Neospora caninum.
Ihara F, Nishimura M, Muroi Y, Furuoka H, Yokoyama N, Nishikawa Y. 
Sci Rep. 2016 Mar 14;6:23052. doi: 10.1038/srep23052. 

ネオスポラはイヌやウシなどに感染し神経障害の原因となる病原性原虫ですが、その病態発症メカニズムは分かっていません。今回、ネオスポラのマウス感染モデルを用い、感染による脳組織の変化を解析しました。その結果、炎症反応に伴う脳病変、神経伝達物質量の異常、神経細胞の活性低下が明らかとなりました。本研究により、ネオスポラの感染による中枢神経の機能障害が生じていることが示唆されました。本論文発表は、最先端・次世代研究開発支援プログラム(日本学術振興会:2011/LS003)、挑戦的萌芽研究(文部科学省:15K15118)、特別研究員奨励費(日本学術振興会:15J03171)の研究成果です。

2016.03.10
原虫病研究センター・診断治療研究部門・高度診断学分野・五十嵐郁男研究室が研究成果を発表しました

Clofazimine inhibits the growth of Babesia and Theileria parasites in vitro and in vivo.
Tuvshintulga Bumduuren, AbouLaila Mahmoud, Davaasuren Batdorj, Ishiyama Aki, Sivakumar Thillaiampalam, Yokoyama Naoaki, Iwatsuki Masato, Otoguro Kazuhiko, Ōmura Satoshi and Igarashi Ikuo., Antimicrobial Agents and Chemotherapy.2016 Feb 16. pii: AAC.01614-15. [Epub ahead of print]

バベシアとタイレリアは赤血球に寄生し、家畜に大きな経済的被害を与えているため、安全で治療効果の高い薬剤の開発が求められています。本研究では、ハンセン病の治療薬であるクロファジミンの両原虫感染に対する治療効果について検討を行いました。その結果、クロファジミンは培養原虫に対して優れた増殖抑制効果を示しました。更に、マウスを用いた治療実験により、高い治療効果が認められました。今後の研究により、家畜のピロプラズマ病の新たな治療薬として実用化される事が期待されます。