井上 昇理事・副学長と菅沼 啓輔特任助教(学内協力教員,グローバルアグロメディシン研究センター)は,6月29日に国際獣疫事務局(OIE)本部(パリ,フランス)で開催された第四回非ツェツェ媒介性動物トリパノソーマ症(NTTAT)会議に参加しました。OIEは世界182の国と地域が参加する,世界の動物衛生の向上を目的とする世界機関です。OIEは動物疾病の研究者をOIE専門家(リファレンスラボラトリー)として認定しています。OIE専門家(リファレンスラボラトリー)は,疾病の研究と陸生動物衛生規約ならびに陸生動物の診断及びワクチンに関するマニュアルの改定を行うことで世界規模での動物疾病制御に携わっています。NTTATは,Trypanosoma evansiが吸血昆虫によって機械的に媒介され引き起こされる「スーラ病」と,T. equiperdumの交尾感染により引き起こされるウマ属に特有の「媾疫(こうえき)」と言う二つの疾病の総称であり,これらの2つの疾病はOIEにより国際重要家畜疾患に定められています。本会議は,NTTAT関連の研究者が集まり研究成果の共有と陸生動物衛生規約ならびに陸生動物の診断及びワクチンに関するマニュアルの改定を討議すること目的として毎年開催されています。我々はOIEリファレンスラボラトリー(スーラ病)の専門家として本会議に出席し,スーラ病及び媾疫のマニュアル改訂の討議に参加しました。
本渡航は文部科学省共同利用・共同研究拠点事業経費より支援いただきました。
