19世紀のハプスブルク君主国

高校の世界史は,「暗記科目」として受験生のみなさんに敬遠されがちです。でも本来の歴史研究は,同時代に書かれた文書(もんじょ)や出版物をじっくり読み込んで,時には絵画や写真等の図像を読み解いて,その時代や地域の人々が,どういう生活を送り,どんな社会を築いていたのかを,研究者の言葉で描く学問分野です。19世紀のハプスブルク君主国は,ドイツ語話者が多数派でしたが,その他多くの東欧各言語,イタリア語や南スラブ系言語の話者が共存する,多民族帝国でした。そこで学校を作り,子どもたちを集めて義務教育を実施しよう,と決めた時,どんな問題が起きたのでしょうか。地域の言語で教育を受けた生徒たちは,どうやって進学したのでしょうか。私は今こんなことを,史料や文献を読みながら,少しずつ論文にまとめています。

この文を書いた人 佐々木 洋子 准教授
所属 研究域/人間科学研究部門/人文社会学・言語科学分野/人文社会学・言語科学系