土は農業にとって重要だとよく言われます。では良い土とはどんな土でしょうか。黒くてふかふかしている土でしょうか,ミミズがたくさんいる土でしょうか,堆肥等をたくさん入れた土でしょうか。どれも科学的には“正しい”答えではありません。私たちは,土の上で育てられた食糧を食べて生命をつないでいます。しかし,土の何が大事で,土がどのような機能を持っていて,どのような土が植物にとって良いのかについては,実は意外と知られていません。土の中には,土にしかない多くの成分や機能があり,そのおかげで食糧を生産したり,環境を守ったりできるのです。その一方で,土にはまだまだ多くの謎が残っています。その謎を科学的に紐解くとともに,土が本来持っている機能を最大限に引き出すことができれば,地球の生命と環境を支えることに貢献できるかもしれません。

この文を書いた人 谷 昌幸 教授
所属 グローバルアグロメディシン研究センター/農畜産学研究部門研究域/環境農学研究部門/植物生産科学分野/植物生産科学系