皆さんの中には家庭菜園で堆肥を使っている方も多いのではないでしょうか?堆肥は,家畜のふん尿や生ごみ等皆さんが「汚いな〜」と思うものを,微生物の力でリサイクルさせたもので,土壌を健全に育むための大切な資源となります。
この堆肥づくりは決して新しいものではありません。先人達が農地の片隅で知恵や経験を積み重ねながら実践してきた伝統的技術です。しかし,畜産農家の大規模化による家畜ふん尿の増加や家庭からの大量の生ごみが集中的に排出される現代では,効率的に堆肥を製造する技術が求められているのです。また,堆肥の品質向上や利活用も重要な課題です。堆肥は化学肥料と比べて肥料成分が低く,農地に散布するのも大変です。そのため,日本の農業はこれまで効率を求めて必要以上に化学肥料に依存してきました。その結果,過度な依存が土壌を劣化させ,農業生産環境の悪化を招いているのも事実です。この研究室では,作物を育む土を大切にして食料を確保したい。不適切な管理による環境汚染を防止したい,バイオマスを上手に循環させることで持続可能な農業環境を維持したいという願いを目的に,学生たちとともに研究や開発に日々努力しています。
この文を書いた人 | 宮竹 史仁 教授 |
---|---|
所属 | 研究域/環境農学研究部門/農業環境工学分野/農業環境工学系 |