高収量かつ環境負荷の少ない農業を実現するためには、土壌固有の養分や水分の保持力を把握し、適正な栽培管理をすることが大変重要です。私達は地質学的な知見を考慮しながら、その土地の成り立ちを解明し、地域ごとの土壌の物理性、化学性の状態を明らかにし、その地域で利用できる作物栽培システムの構築を目指しています。
高収量かつ環境負荷の少ない農業を実現するためには、土壌固有の養分や水分の保持力を把握し、適正な栽培管理をすることが大変重要です。私達は地質学的な知見を考慮しながら、その土地の成り立ちを解明し、地域ごとの土壌の物理性、化学性の状態を明らかにし、その地域で利用できる作物栽培システムの構築を目指しています。
人口減少に伴う土地の放棄や温暖化対策のためのエネルギー開発など新たな局面を迎える日本では、これまでと異なった土地利用戦略が求められています。私達は、人の生活の中で如何に自然環境を活用しつつ保全するのかを検討し、生物多様性に配慮した土地利用戦略や人の生業を活かした新たな保全戦略の研究開発を行っています。
作物の生産を支える土壌を対象に、肥料を加えるばかりの「足し算」の方法から、土壌の潜在能力を引き出す「掛け算」の方法を研究しています。土壌の変化は周辺の水圏や大気圏などの生態系にも影響を及ぼします。人と自然が共生していくためには自然に対して負荷をできるだけ最小限に留め、かつ安全で高品質な食糧生産を持続する方法を見つけることが重要です。
家畜のふん尿や生ゴミは作物育成に有効な有機肥料になります。しかし、不適切に管理すると逆に環境汚染の要因となってしまいます。そこで、適切なふん尿資源化と持続可能な循環システムを開発し、技能や技術を根付かせることも視野に入れた「環境と人にやさしい酪農体系」を構築したいと考えています。
河川水質を指標として、持続的農業と水環境の保全を両立可能な農林地流域の土地利用のあり方を考察します。また、国土の保全・防災に貢献する緑化の役割として、草本植物の根系を含む土層の力学的特性と斜面の保全について研究しています。こうした「水と土と緑の保全」をつなぐ次世代の人材育成(高大連携・環境教育等)にも積極的に携わっています。
植物は自身に適した植物共生菌(カビ、きのこのなかま)が生息しないところでは、成長することができません。これらの共生菌は、新しい植物が定着する前から胞子などの形で土壌中で植物が来るのを待っており、根などに共生して無機養分を吸収して植物の成長を助けています。このような植物と菌類の共生関係を観察し、森や耕作地の土壌で起きている生態と環境変化の関係を明らかにします。
植物と共生する有用微生物は、植物の生育促進や環境変動への適応能に大きく貢献しています。私達は植物への感染と共生のしくみを調べ、植物の生育や環境適応能の改良をはじめ、農産物の保存性やその付加価値の向上を目指した研究に取り組んでいます。